shin-1さんの日記

○大きな栗の木の下で

 レクリエーションで歌った経験のある歌に「大きな栗の木の下で」という歌があります。歌を歌いながら振り付けをして遊んだものですが、その歌を髣髴するような大きな栗の木が人間牧場の農場にあるのです。この栗の木は春になると一斉に若草色の若葉が芽吹き、夏には緑陰を作り、秋には見事な紅葉を、冬の枯れ木と四季を感じさせてくれる落葉樹なのです。

 栗の木は栗の実が稔ってこそその役目を果たすのでしょうが、実はこの栗の木の品種は山栗系で、沢山実はつけるものの残念ながら食用にしたことはなく、棘のある毬栗が木の下を埋めるだけの厄介者なのです。しかもその毬栗が隣接する他人の畑にまで落ちるものですから、何とかしなければならないと常々思っていました。

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 昨日は数日前の春を思わせる温かさとは一変して、戻り寒波に見舞われ山には里近くまで雪が積もるあいにくの寒い一日でした。滅多に雪が降らないし霜も降りない人間牧場ですが、季節風はそんなに強くないものの時折小雪の舞うあいにくの天気で、水平線の家のウッドデッキも雪で薄化粧していました。

 こんな日こそ体を動かせば暖かくなるだろうと、思い切ってチェンソーを持ち出し栗の気の伐採作業を始めました。チェンソーにガソリンとオイルをそれぞれ入れ、チョークを引いて紐を引っ張ると長い間使っていなかったチェンソーが甲高いエンジン音を山々に響かせて勢いよく作動し始めました。

 胸元辺りから枝分かれした枝を順番の切り落として行くのですが、調子よく面白いように作業がはかどりました。しかし栗の木にはおびただしいほどの小枝があって、それらを片付けるのに一人で半日もかかってしまいました。

 伐採した木々を放っておくと間もなく始まるであろう草刈りに支障をきたすので、小切りをしてそれらを一ヶ所に集めうず高く積んで行くのです。大ばしい枝を鎌で小切りする作業は予想以上に重労働で、日ごろ使っていない手や腕が悲鳴を上げ、時折かかってくる携帯電話を持つ手が震えるほどでした。昼食はシーサイド公園で魚屋さんとじゃこ天のお店で貰った鯛めしと野菜じゃこ天を美味しくいただき、一通り納得いくように片付いたのは午後3時を回っていました。

 大きな栗の木が根元だけを残して無残な姿になりましたが、これで梅林もすっきりして梅の木も丈夫に育つし、隣の畑の持ち主に迷惑をかけることもなくなりホッとました。

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 本当はこの栗の木に丹波か銀寄せのような優良品種を高担ぎすればいいと思っていて、山奥組のミツバチ支障の井上さんに内諾をいただいていたのですが、隣の畑の年老いたおばちゃんの草引きに迷惑をかけれないとの思いが先に立っての作業と相成りました。

 片付けた木々は暇を見つけてチェンソーで小切りして薪にする計画です。乾燥すればかまど小屋の燃料として日の目を見ることでしょう。何はともあれ私にとっては落ち葉集めと同じく、久々の大仕事となり、充実した一日でした。


  「木陰しか 役に立たない 栗の木を 思い切りよく まるで散髪」

  「小気味よい チェンソーの音 山々に 響いて春の 足音を聞く」

  「まだまだと 体力過信 したものの 最後はへなり 疲れありあり」

  「もし接木 するなら思い 残したる 枝に登りて 海を眺める」

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