○確定申告の時期がやって来た
3月は確定申告の季節です。退職するまでは職場で年末調整の事務手続きをしてもらっていたので、そんなに木にすることもありませんでしたが、退職して6年間は毎年この時期にやって来る確定申告が何処か不安で仕方がないのです。
まずこの一年間にいただいた所得を、所得先から送られてきている源泉徴収票に基づいて書き出します。年末からこれまでに送ってもらった徴収票は、妻に頼んで大切に保管しているので、講演など相手先に出かけた時のことを思い出しながらめくるのですが、過去一年間の出来事なのでそれぞれの記憶は殆ど薄れることもなく蘇ってくるのです。
確定申告を書き込みながらいつも疑問に思うことが何点かあります。その一つは旅費に消費税が何故つくのかという疑問です。例えば岡山へ出張すればいよ上灘という最寄の駅を起点に、講演先までの往復旅費がかかります。これは実費なので消費税がかかると旅費が10パーセント足らなくなってしまうのです。10パーセントくらいで目くじらを立てることもあるまいと思うのですが、これが意外と馬鹿にならないため最近は必要経費として再掲していますが、はてさて疑問の館からは今も抜け出せていません。
もう一つは消費税の疑問です。私の所得は講演料と給与に分かれています。給与といっても大学へ不定期に教えに行ったり、委員などの報酬なのですが、講演料は必ず10パーセントの源泉徴収がされ、3万円だと手取りは2万7千円なのです。ところが給与は源泉徴収がまちまちなのです。
私の場合は、それらの下準備をした後、生命保険や火災保険の領収書、年金の源泉徴収表などを順番にクリップで留めて市役所支所に持って行き、役所の知人の助言を得て申告書を作成、書き込みが終ると認印を押してポストに投函するのです。
数字の苦手な、そして税金のメカニズムなど殆ど分からない私ゆえ、この時期が来ると何故か憂鬱になり、この時期が終ると何故か一年が終ったような開放感に浸ることが出来るのです。この歳になってもいささかの所得があり、10パーセントとはいいながら税金を払えることは幸せなことだと妻はいいますが、これも税金を天引きされて支払っているための余裕でしょうが、やがてこの所得に基づいて市民税や国保税が支払われるので、安閑とはしておれません。
年金や収入は増えるどころか減る一方なのに、税金などは一光に減りません。確定申告の時期はある意味自分たちの日々の暮らしの再点検のの時期でもあると思います。無理や無駄を省き賢く生きないと台所や財布は火の車になってしまいます。妻のやりくりに感謝しながら、来年もまた確定申告の時期を、せめて健康で迎えたいと思いつつ、確定申告の資料を郵便局のポストに投函し終えました。
「申告を 深刻思い 整理する 年中行事 今じゃ一つに」
「旅費にさえ 何故に税金 分からんな うやむやしつつ 今年も終る」
「友人が いつも手助け してくれる 老いた親父も 税金控除」
「税金が 払えるなんて 幸せと 妻は言うけど 俺は思わん」