○親父と二人でジャガイモの植え付け
「椿さんが終わるとジャガイモを植えなさい」と死んだ母から聞いていた言葉が耳についていて、昨日は夕方親父と二人で家庭菜園に出てジャガイモの植え付けをしました。まず何処得植えるかで親父と意見が食い違い、畝の巾がやれ狭いやれ広いと意見が食い違い、今年も親子が他愛ない主張を述べ合い、結局は息子の私が折れて、親父の言うとおりに作業を進めました。
まず予定した畑に牛糞を撒いて、倉庫から取り出した耕運機で畑を中耕するのです。親父が丹念に草を引いてくれていたお陰で中耕は思いのほか早く終わりました。さあ畝立てです。92歳の親父はいつも腰が痛いといっていますが、畝立ては自分が糸の定規を引いて真っ直ぐにしないと気がすまないので、私はその間少し大きめのに種芋をまな板の上に置き包丁で切りました。
今年は男爵を5キロ、メークインを3キロ、キタアカリを3キロと、合計11キロも種芋を用意しました。先週松山へ行った折ダイキで買い求めていたので、準備は万端です。やがて親父の畝立ても終りそこへ定規で計って一戸づつ植えて行くのですが、と梅で見ていた親父は「曲がりよる」とか、「もっと深く」とか、いちいち文句を言うのです。まあ年寄りの言うことなので、目くじらを立てることもなく親父の指図に従って2時間ほどで10列に種芋を植え終わりました。
種芋を植え終わった場所が分からなくなると草引きや施肥に支障が出るので、種芋を植えた場所には籾殻を置きました。作業中親父は間もなく始まるであろう日課のように毎日見ている水戸黄門が、テレビで放映される時間が気になるらしく、さっさと引き上げてしまいました。
私にとっては好都合で、親父のいなくなった畑で畝を調整したり道具類や耕運機を片付けたりしました。
親父も92歳の冬を寒い寒いといいながら、どうにかこの冬を風邪を引くこともなく乗り切りました。年寄りにとっては昨年の夏の暑さも、今年の冬の寒さも体には堪えたようでした。夏が来たら冬がいいといい、冬が来ると夏がいいと、相変わらずわがままなことを言っていますが、ブログに毎年のように書いている記事に添えた親父の写真を見ると、少し衰えを感じさせますが、まあ今年も4ヶ月ほど後には、親父と二人で元気にジャガイモを掘って食べたいものだと思っています。
去年掘って倉庫に保存していたジャガイモは、このところの陽気で芽が出て食べられなくなり、仕方なく親父は出しの度に少しずつゴミとして片付けているようです。
「親と子が ああでもこうでも ないなどと 他愛ないこと ぶつけ合いつつ」
「ジャガイモを 半分に切り 土の中 埋めて籾殻 置いて終わりぬ」
「もうそんな 時期が来たかと 今年又 季節めぐりの 早さ実感」
「俺よりも 作業効率 いい親父 言われるままに しぶしぶやりぬ」