shin-1さんの日記

○昭和は遠くなりにけり

 小中学校と音楽が苦手だった私が、ひょんなことから息子が学校で使っていた僅か15穴の小さなハーモニカを手に入れ、吹き始めてからあっという間に10年余りが経ちました。今では努力の甲斐あって、下手糞のそしりを免れないながら200曲もの歌が吹けるのですから、オリンピックマラソンでメダルを取った有森有子さん流に言えば、自分で自分を褒めてやりたいような心境なのです。

 

 今では臆目もなくテレビショッピングで妻が買ってくれた2本のハーモニカを、妻手づくりのアサギ模様の袋に入れて、愛用の木になるカバンに忍ばせて持ち歩き、興が乗れば講演などと組み合わせて全国各地で吹いているのです。残念ながら楽譜を貰っても未だに読むことが出来ず、もっぱら体感音楽とでもいうのでしょうか、歌を口ずさみながらハーモニカでなぞるように吹いているのです。

 昨日は翠小学校の学習発表会でで、「クレア&香」のコンサートが予定されていたのに出演者が体調不良でキャンセルし、私が代理登板することになりました。今の小学生の知っている歌など残念ながら私は知りません。多分童謡くらいは知っているだろうと安易な気持ちで吹ける歌を頭に描いて望みましたが、会場には21人の小さな学校ながら大勢の観客が集まっていて、その人たちを意識した歌も織り交ぜながら吹きました。

 昨日の夜、最近のテレビ番組は夜になるとバラエティー番組がやたらと多く、つまらないものですから、妻が録画している「後世に残したい歌四時間スペシャル」を妻と二人でリラックスしながら視聴しました。戦後はやった歌の数々を見覚えのある懐かしい歌手が歌うのですが、昭和は遠くなりにけりといわれるほどに懐かしく、私も妻もいつしかテレビから流れる歌に合わせてがなり声を上げて歌っていました。

 テレビの番組から歌謡番組の殆どが消えました。これも視聴率を意識しての世の中の流れでしょうが、私たち昭和生まれの人間にとってはもう歌の世界は遠い思い出にしかないようです。ハーモニカを吹くようになったお陰で古い歌を思い出し、時々陶酔するように吹いては昔を思い出していますが、美空ひばりや石原裕次郎など時代を駆け抜けあの世に旅立った人の歌をハーモニカで吹くと、心を揺さぶられる様な錯覚に浸るのです。

 自分はまだ若いと思うこと自体古くなった証拠なのですが、私は人がどうであれ、人に何と言われようとこれからも暇があれば、記憶に残る私の歌のアルバムをめくりながらハーモニカを練習したいと思っています。たった20センチほどのポケットに入るような小さな楽器ですが、ハーモニカは私の心を揺さぶる不思議な音色を奏でてくれます。もう一度性根を入れて練習して、やがては音楽家、芸術家ならぬハーモニ家を目指したいものです。

  「ハーモニカ 吹く度昭和 思い出す 次第に遠く なり行く記憶」

  「近頃の テレビ番組 バラエティ 多くなり過ぎ 見るものなくて」

  「録画した 歌を聞きつつ 口ずさむ 時には歌手に なった気分で」

  「長崎の 鐘という歌 藤山さん 歌った歌を ハーモニカで吹く」

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