○九州大分へ・その①(アイスバーンの恐怖)
私たちは日々の暮らしを様々な情報を得ながら暮らしています。その際たるものは天気予報で、殆ど毎日テレビに映し出される明日の天気予報を見て、「外出は傘を持っていった方がいい」とか、「寒いからコートを着て行こう」とか決めて行動するのです。何日か後にイベントを企画していたり、少し長めの旅行などをする時は週間天気予報などを参考に、一喜一憂したことも数えればきりがないほどなのです。
昨日私は講演の依頼を受けて大分へ行くことになりました。九州大分へ渡るのにはいつも利用する三崎~佐賀関の九四フェリーを利用する場合、双海~(国道387号夕やけこやけライン)~保内町~(国道197号潮風メロディライン)~三崎を、何の疑いもなくマイカーで走るのですが、昨日はこの冬一番の寒波が日本列島へ押し寄せ、その影響で特に潮風メロディーラインは雪と凍結の心配がありました。
松山と八幡浜日土で二居住間移動生活をしている盟友清水さんの助言を得て、転ばぬ先の杖のような気持ちで四WDの軽四トラックを利用することにしました。わが家は瀬戸内海に面して雪が降らなし積もらない地域なので、普通であれば2時間もあれば行ける距離を見越して9時30分の便なので、妻は朝7時に家を出ればいいといいました。でも私はトラックや積雪のことを考えて30分早めに家を出ました。実はこれが後の余裕と大正解に繋がったのです。
瀬戸内側を走る時は雪など何処吹く風でスイスイ走り、頭の中で清水さんの助言がとり越し苦労だと正直思いました。ところが三崎半島を縦断するゴゼ峠を抜けると風景は一変しました。宇和海側の山が白く雪化粧しているのです。伊方町の町を過ぎ伊方原発付近から道に雪が見え始め、それは朝の寒さで殆どがアイスバーになっているのです。急いで車のギアーについている四WDのボタンを押してチェンジしました。スリップして動かなくなり路側帯で右往左往している車を尻目に、私の車は雪をつかんでロースピードながら順調に走りました。
やがて三崎町に入った下り坂で、ちょっと気を許してブレーキをかけたところ、車はまるでスキーのように坂道を滑り始めました。「危ない」と思わず言葉を発するほど横滑りするのです。路側帯には動かなくなった車が何台か止まっていましたが、ぶつかりそうにならながら間一髪すり抜けて道の真ん中で真横になって止まりました。性根を入れて車を立て直し、エンジンブレーキを基本にしながら、何とか三崎のフェリー乗り場に1時間前に辿り着き、ホッと胸をなでました。
フェリー乗り場の待合所で清水さんにお礼の電話を入れました。また清水さんから当日の現地天気ガイドに指名してもらった浅野先生や前夜フォーラムで出会った友人塩崎さんにも連絡しました。塩崎さんは前夜猛吹雪の中を潮風メロディーラインを通って帰ったそうですが、凍った道を私と同じように滑らせて側溝に車を落とし、通行人の協力で車を引き上げたものの、車を置いて深夜に自宅へ帰ったと説明していました。私も塩崎さんの二の舞をするほどでした。
「トラックで 走るが無難 助言聞き 正解でした 恐る恐るも」
「あっ危ない 思った瞬間 横滑り アイスバーンの 恐怖未だに」
「雪道を 甘く見てると 大怪我を 拳拳服膺 肝に銘じる」
「トンネルを 越えるとそこは 雪国で 道の白きを 踏み分け進む」