○京築地区公民館研修会に招かれて(その4)
昨年の10月26日、大分県豊後大野市で開かれた大分県公民館大会記念講演以来2ヶ月ぶりに海峡を越えて九州へ渡り、今度は福岡県築上町で開かれた京築地区公民館研修会に行きました。日豊本線沿いに広がる京築地区周辺は私にとってある意味空白地帯で、訪ねたことも講演に行ったことも殆どない地域なので、多少ワクワクしていました。もう20年も前、ひょうたん型由利島共和国で開催した無人島キャンプで、瓶の中にメッセージを入れて子どもたちが海に流した漂流物が、築上町近くの行橋市の海岸に流れ着き、地図でその周辺を調べたことがある程度の知識なのです。
今回のテーマは「公民館として子どもたちの豊かな育ちのために」でしたので、子育てや青少年の健全育成について、集まった100人を越える参加者の前で熱弁をふるいました。私への講演依頼は地域づくりや女性問題など多岐にわたっていますが、中でも公民館活動や青少年の健全育成など生涯学習に関することは、私の最も得意とする分野なのです。
本来なら講演の前あった2団体の発表を会場で聞きたかったのですが、腰の具合が今一で、講演に全体力を注がなければならないとの思いから、開会式や発表会をキャンセルし、暖かいストーブの横で暖を取りながら過ごしたため、講演中は腰の痛みも和らいで、何とか役目を果たすことが出来ました。
この日の講演演題は「子どもたちの豊かな育ちのために」でした。過去認識・現状認識・未来認識という3つの時代認識、子ども・学校・地域の問題という領域に隠された3つの問題認識を踏まえながら、10項目の家庭の変化について話しました。
①子どもの数が減った
②子どもの毎日が忙しくなった
③子どもの家庭的役割がなくなった
④子どもの遊びが変わった
⑤子どもの家庭的感動がなくなった
⑥子ども部屋が出来た
⑦物と金が豊かになった
⑧仏壇・神棚教育が消えた
⑨父親の存在が弱くなった
⑩家庭の最大の影響力がテレビになった
その上において、教育=教育・共育・響育・協育・郷育の必要性について話しました。特に強調したかったのはふるさと教育と道の教育です。私はこれまで21世紀えひめニューフロンティアグループというボランティアグループを主宰し、無人島に挑む少年の集いやふるさとを空から見る運動、丸木舟建造と瀬戸内海航海、竪穴式住居語り部の集い、大野ヶ原モゥーモゥー塾、ブーメランテーブル製作、10年で40回のフロンティア塾などなどを仲間とともに実践してきました。またふるさとを語れない子どもたちのために夕日や花やホタルをモチーフにしたまちづくりを実践してきました。これらは私設公民館煙会所や人間牧場という私的な施設と絡み合いながら連携し、今もふるさと教育と道の教育として成果を上げようとしています。
パワーポイントやDVDを使ってそれらを熱を込めて話したつもりでしたが、僅か90分では少々心残りな結果となってしまったようです。でも集まった人たちは熱心に聴いていただき、よかったと思っています。
「90分 思いのたけを 喋ったが デジタル時間 食って少々」
「美しき 花を活けたる ステージで 負けず劣らず 熱弁ふるう」
「90分 腰の痛みを 忘れてた これもひとつの 技術だろうか」
「教育は 当て字使えば 色々と 意味も違って 説明便利」