○薪ストーブを囲んで大学生との研修
えひめ地域政策研究センターへ一昨年まで3年間出向していた松本さんが、双海地域事務所に帰って来たため、わが町へやって来る人がかなり多くなってきました。3年間に培った県内外の人脈ネットワークと、自らのスキルアップによって人との出会いの重要性が増したからであり、そのおこぼれを頂戴する私にとっても嬉しいことだと喜んでいます。中でも研修にやって来たり、双海町をテーマに卒論を書くためやって来る学生たちとの出会いは、私が大学の非常勤講師や客員教授を務めていることもあって、願ってもないチャンスなのです。
3日前農学部三回生で隣町中山町出身の武智さんが研修のため、受け入れ主である松本さんに連れられて人間牧場へやって来ました。瀬戸内とはいいながら真冬の寒風がもろに吹き付ける人間牧場・水平線の家へは、私も今年に入ってまだ一度も訪れてなく気になっいたので、これ幸いとばかりに事務所で待ち合わせして一緒の車で出かけました。
急いで薪ストーブに火を入れ、赤々と燃えるストーブを囲みながら3人で色々な雑談をしました。大学生たちにとってはこの不況の中で就職先を見つけることは容易なことではありません。自分の夢と現実の落差を感じながらも、また実家が専業農家でゆくゆくは農業の後を継がなければならない宿命も吐露しながら、1時間半も話し込みました。
武智さんの希望では、観光サービス産業のような所へ一度就職して、働きながら将来のことを外から眺めてみたいと思っているようです。農学部を出たからいきなり農業ができるほど農業はやわい仕事ではありません。ましてや将来どうなるかということも、農業を取り巻く環境が厳しいだけに不安です。
武智さんは昨年私が4日間にわたって大学で、地域活性化論Ⅰと地域活性化論Ⅱの集中講義の際に受講した学生でもあるので、他人事とは思えぬ気持でした。ゆえにこれからの研究の一助にと私は「昇る夕日でまちづくり」と「夕日徒然草地の書・火の書・水の書」という4冊の自著本をプレゼントしてやりました。本来本は買うもので貰うものではないと思い、殆どの人には差し上げないのですが、大袈裟ながら将来への投資として差し上げました。
年末から年始にかけて人の気配を感じなかった人間牧場には、水平線の家の外壁に穴をあける悪者のキツツキが住みつき、海に面した外壁を一生懸命くちばしで叩いて穴を開けていました。追い払っても再び悪びれる様子もなく相変わらずの悪態です。
今年は冬の寒さが一段と厳しい故、また新春早々顔面にダイガラ餅つき機の杵が落下して小怪我したため大事をとって、例年だと新春早々行う予定の落ち葉を集めて苗床を作る作業も大幅に遅れています。遅くても来週にはやらないと発酵が間に合わないので、傷の具合も自然治癒力のお陰で随分良くなったようなので、心機一転心を入れ替えて頑張りたいと思っています。
「牧場の 薪ストーブに 火を入れて たった三人 色々話す」
「三冊の 自著本渡し 促しぬ 今しかできぬ 学び数々」
「キツツキが 新たな穴を コツコツと 追い払えども 向こうの都合」
「薄々と 夢と現実 段差見ゆ 厳しいだろうが がんばれ支援」