○今年最初の美しい夕日
年末から年始にかけて波状的に寒波がやって来て陸も海も大時化で、双海町の漁師さんは年末の早い時期から昨日までまだ一度も出漁できず、会う人ごとに「これじゃあ飯が食えん」と嘆いています。普通の年だと海は時化ても年末や年始ころには何日か凪ぐ日もあるのですが、今年は何年かに一度の大時化のようです。
昨日は午前中人間牧場へ大学生を案内し、午後は県公連の専門委員会が県の生涯学習センターであり出かけました。所用を済ませ帰る途中高野川海岸で思わぬ冬の美しい夕日を見ることができました。昨日は空も曇っていて、恐らく夕日は見れないだろうと落胆しつつ、日曜日に始まった大相撲初場所の中継をカーラジオで聞きながら帰って来たのです。
三秋の峠を下って高野川海岸に出て、真黒い雲がまるでカーテンコールのように押し上がり、絵に描いたような綺麗な夕日が、西の端に沈まんとしていました。持っていたデジカメを取り出し、寒風の吹く中を思い切って外に出て写真に収めました。
海から吹きつける夕暮れ時の風は身を切るように冷たく、急いで車の中へ入りヒーターの利いた車内のウインドー越しに夕日の写真を4~5枚撮りました。私と同じような衝動に駆られたのか次々と狭い路側帯に車が入ってきて、殆どの人が携帯電話のカメラでカシャカシャ音を立てて撮影していました。
思えば年末から年始にかけてこんな綺麗な夕日を見るのは初めてのような気がするのです。
昨日は水平線近くに帯のような雲が現れ、期待したダルマの夕日はついに見ることはできませんでしたが、赤々と燃えるように、そしてジューンと音を立てるように沈んで行く夕日を見ながら、心がほのぼのとしてきました。これこそ夕日の持つ最大の魅力だと一人納得しました。
この真っ赤な夕日がもう間もなく朝日となって地上の万物に降り注ぐとは、私のような凡人には分からぬ自然の営みです。と同時にこんな美しい夕日にパワーをもらえる地域に住んでいることを幸せに思うのです。この火の夕日は今年一年分のパワーをもらったような感じがしました。昨日から始まった私の仕事も順調であって欲しいと殊勝にも、沈み行く夕日に手を合わせ高野川海岸を後に夕暮れの海岸国道を家路へと急ぎました。
「予期もせぬ 綺麗な夕日 お出迎え 雲を押し上げ カーテンコール」
「夕日には これまでどれ程 恩恵を もらったことか 手合わせ感謝」
「デジカメを 持って歩くは 日課にて シャッターチャンス 逃すことなく」
「この夕日 俺のものだと よがりつつ 寒さに負けて 車内撮影」