○わが家のどんど焼き
正月松の内も過ぎ、昨日は鏡開きの日でした。割れるとか切るという言葉を忌み嫌う日本の古い風習にのっとり、神棚に供えた丸い重ね餅を鏡に見立てて、鏡開きと表現するのは日本人のよきファジー文化だと納得しながら神棚のお三方毎下げ、玄関先や仏壇、水神様、便所、風呂場、車など、神が宿りそうな場所を選んで飾っていたお飾りを集めて、畑の隅に持って行きました。
親父も母屋に比べると狭い隠居ながら、私が同じように飾ってあげていたお飾りや三方を集めて持ち寄り、親子二人でどんど焼きを始めました。わが家ではどんど焼きとは言わず、「お飾りはやし」と呼んでいますが、これまではずっと1月15日を吉日と選んでやっていましたが、国民のの祝日である成人の日が変更したため、大安や先勝などの吉日を選んでやっているのです。
集めたしめ縄を小さく積み上げ火を付けました。昨日は真冬としては珍しく無風の好天に恵まれ、空気が乾燥していることもあって瞬く間に火は燃え広がりました。この災や煙に当たると一年間無病息災で暮らせるという言い伝えがあって、親父も私も炎や煙を体全体にこすりつけました。やがて炎が佳境に入ったころ、鏡餅をこれまた炎であぶり初めをしました。12月30日についたお餅は約10日間ですっかり固くなり、ところどころにひび割れしていました。
こうしてわが家のささやあなどんど焼き行事は無事終了しました。家に持ち帰った鏡餅は程よい大きさに切り分けて餅とり粉を洗い落し、他の水餅と一緒にポリバケツの中に漬け込みました。2~3日するとこの餅が水分を吸収して柔らかくなり、焼いて食べるのです。
わが家では妻も私もお餅が大好きで、正月以来ずっと毎朝、パン焼き用のオーブントースターで餅を焼き、醤油や黄粉をまぶして食べたり、時には雑煮にして美味しく食べています。正月にやって来た孫たちもお餅は大好きで、土産に沢山持って帰ったようです。
どんど焼きをしていつも気がつくのですが、しめ縄飾りは火をつけて焼いて灰になっても縄のままで残っているのです。しめ縄は縁起を担いで7本・5本・3本とわらをない込みます。七五三を別な呼び名「でしめ」と読むのもうなずける話です。二本のより込んだわらがたとえ灰になっても一本の縄のまま存在するのは夫婦の見本だといわれています。最近は離婚率も高く、この言い伝えも当てにならないようですが、せめてわが家だけでも神様にまつわる言い伝え通り、しめ縄にあやかりあの世までも深い絆を持ち続けたいと思いました。
「今年また 親子二人で どんど焼き 炎と煙 無病息災」
「焼けてなお 灰になっても しめ飾り よられたままで 夫婦の絆」
「風習を 今に伝える どんど焼き いつまで続く 息子の代は?」
「お下がりの 餅を小切りし 水漬ける 二、三日すりゃ 美味しい水餅」