shin-1さんの日記

○水仙泥簿

 昨日は妻の実家のお墓参りに出かけました。八幡浜までは高速道路を使う方法と長浜~大洲経由の方法、それに夕焼けこやけラインを長浜~保内を通るコースがありますが、昨日は下灘のお墓にお参りした都合もあって、海岸沿いの道を走ることにしました。

道端には既に春を呼ぶ花としてすっかりお馴染みとなった水仙が咲いていて、芳しく馥郁とした香りを漂わせていました。ふと道端を見ると車が一台何か怪しげな行動をしているのです。どこかのおばちゃん5人が道端の水仙の花を切っているのです。一輪ならまだしも一束なのです。私は車を路側帯に止めて走ってそのおばちゃんたちに近づき、「その花は町民が丹精をこめて育てているので取らないように」と、諭しました。

 「なんじゃあ、このおじさんはいきなり」と、不意を突かれたおばさんたちは私の言葉におののき、それまでの笑顔が一瞬にして曇りました。笑顔の可愛いらしい私好みのおばさんは、「すみません」と平謝りに頭を下げましたが、私が嫌いなタイプのように見えるおばちゃんはふてくされたような顔をして、「これは野生の花かと思って」と言い訳をしました。私は立ちすくんだおばちゃんたちに双海町の花いっぱい運動について話をし、理解を求めましたが、残念ながら詫びられても切った花は元に戻すことは出来ないのです。

ふとこのおばちゃんたちはここで取った花は一体何処へどんな気持ちで飾るのだろうと思いました。多分あの量ですから5人が分けて持ち帰るのでしょうが、この花を野生の花と思って飾ればそれはもう立派なインテリアです。でも盗んだ花となると同じ花でも「×××・・・・」でしょう。

 おばちゃんたちのいうように多分悪気があった訳ではないのでしょうが、水仙を切り取った包丁を見るとこれはもう明らかに計画的な犯行としか思えないのです。手に持った包丁をコートの下に隠すように車に積み込んで、行く当てのない切られた水仙をばつが悪そうにトランクに入れて持ち帰る5人のおばさんたちは今頃、走る車の中でどんな会話をしているのだろうと思いながら見送りました。「意地悪な叔父さんに見つかってしまって今日は最悪だ」と嘯くのか、「悪いことをしてしまった」と後悔するのか、はたまた「あのおじさんから聞いた水仙祭りに今週末はシーサイド公園へみんなで出かけよう」と相談するのか、異論の分かれるところです。

私はこれまでにもこのような光景を何度も見てきました。そして注意を促してきました。その都度謝られたり時には口喧嘩までして不愉快なこともありましたが、「花盗人は盗人にあらず」はもう遠い昔の出来事です。今は「花盗人は最低な盗人」だと思うのです。

 そんないきさつの後、保内町の伊予銀行で妻が預金を引き出したいというので立ち寄りました。銀行の入り口には保内町商工会がありました。講演に来た時立ち寄ったはずですが毎回講演は夜間のためすっかり場所を忘れていました。妻が銀行へ入っている間に商工会へ立ち寄りました。馴染みの事務局長さんや指導員さんに会うより、焼き物干支をいただいたこともある安藤さんの笑顔に会いたかったのが本心(笑い)ですが、皆さん優しい笑顔で対応していただき、指導員さんの案内で妻までお茶の接待をしていただきました。実は銀行で引き出したお金は蒲鉾屋を営む商工会長さんが偶然にも若松さんという方で、前回講演会でお会いして以来中元やお歳暮に使わせてもらっていて、その支払いのためだったのです。事務局長ご夫妻とカナダ旅行が一緒だったことや

 局長さんの奥さんが若松蒲鉾に勤めていることもこれまた不思議な話です。まああれやこれや世の中は面白いですね。

  「水仙を 盗む人あり 注意する 包丁容易 計画犯行」

  「一年を かけて咲きたる 水仙を いとも容易く 持ち去るなんて」

  「今頃は 車の中で 『糞親父』 なんて悪口 言ってるだろうな」

  「水仙を 取るは推薦 出来ません なんて戯言 一笑付され」

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