○一年中で夜が一番長い冬至
「菜の花やつきは東に日は西に」とは春の言葉ですが、昨日は一年中で最も夜の長い冬至でしたが、「月西に傾く冬至陽は東」とでも詠みたくなるようなまん丸いお月様が、朝海の上にぽっかりと浮かんで見えました。そういえば前日は皆既月食とかで、天体ショーを期待していましたが、北海道の一部を除けば日本列島の殆どの地域では、残念ながらお月様を見ることができず、天文ファンをがっかりさせたようです。
(あいにく皆既月食は見えなかった冬至の日の朝の美しいお月様)
私のようにこの30年を超えて夕日に魅せられ、夕日のことを普通の人以上に知っていると自負する男ながら、月のことについてもっと知りたいと思っています。というのは私たちの住んでいる日本は、私の子どものころまで旧暦で色々な年中行事をやっていたし、わが家が漁家で月の影響を受ける満潮・干潮・大潮・小潮などが漁師の暮らしと切っても切れない重要な意味を持っていたからです。
子どものころに、「潮は何故満ちたり引いたりするのだろう」と不思議に思ったものでした。さらに私が漁師をしていたころ、潮を的確によんで鯛獲りの名人と言われた親父から、「潮をよめないと漁はできぬ」と散々教えられ、潮見の上手かった親父を尊敬したりしましたが、その後潮と無縁の役場に勤めるようになってしまいましたが、子どものころからの疑問は何ら解決していないことに気付くのです。
退職と同時に始めた家庭菜園での野菜作りや人間牧場農場での農作業なども、全て太陰暦を意識した方が上手く行くことについ最近納得しているのです。昨日は24節季のひとつ冬至でした。わが家でも旧暦の言い伝えどおり、冬至まで取って置いたカボチャを使って妻がカボチャスープを作ってくれていました。あいにく忘年会で夕食は食べて帰りましたが、カボチャスープだけは美味しくいただきました。
昨日の夜は島根県雲南市吉田村の松島さんから送られてきた柚子をお風呂に浮かべ、冬至湯も楽しみました。昔から「冬至カボチャを食べ柚子湯に入ると風邪を引かない」と言われているので、これで今年の冬も元気で過ごせそうです。これまでは毎日、月の存在など意識もせずに暮らしていましたが、月の恩恵を感じながら日本の四季や農作業を見つめなおして見たいと思いました。
「楽しみに していた皆既 月食も 雨にたたられ 見えずお終い」
「西の空 見ればポッカリ 丸い月 今日は冬至か 夜が長いな~」
「柚子湯入り 冬至カボチャの スープ飲む これでこの冬 風邪は引かぬぞ」
「太陰の 暦暮らしに 生きている 先祖諺 納得しつつ」