○いろはカルタ(その1)
私たちが子どもの頃のお正月の遊びといえば、男の子は凧揚げやコマ回し、女の子は羽根つきや双六遊びと決まっていました。今のように車も殆どないため、松山などの商店街へ連れて行ってもらうことも殆どなかったし、テレビもないので、子どもたちはそれなりの遊びを考え出し、群れて遊んでいました。
遊びの中にいろはカルタというのがありました。意味も分からないのに、「犬も歩けば棒にあたる」と読み手が読めば、「はーい」と声を張り上げその絵を探して数を取り合いました。塾もなく文字や数はいろはカルタで自然に覚えたように思うのです。
昨日長男の嫁が孫を二人連れ、来年の保育園への入園説明会にやって来たついでにわが家に立ち寄ったのです。夕食を食べるというので妻は久しぶりにすき焼きを作りました。夕食の準備が出来るまで、何年か前に買ったアンパンマンカルタを取り出して遊んでいました。私たちの世代とはえらい違いに多少驚きながら側で見ていましたが、ふといろはカルタが懐かしくなり、思い出してみました。
い 犬も歩けば棒にあたる
ろ 論より証拠
は 針の穴から天井のぞく
に 憎まれっ子世にはばかる
ほ 骨折り損ののくたびれ儲け
へ 下手の長談義
と 年寄りの冷水
ち 塵もつもれば山となる
り 律義者の子沢山
ぬ 盗人の昼寝
る 瑠璃も玻璃も照らせば光る
お 老いては子にしたがえ
わ 割れ鍋にとじ蓋
か かせぎに追いつく貧乏なし