○忙しい一日
長い付き合いの久万町の渡辺さんから、「今度愛媛県に赴任してきたキャリアの人がどうしても海の近くの町を訪ねたいというので、双海町とあなたを推薦しました。是非よろしくお願いします」と電話が入りました。おっつけその方から電話が入り、「土曜日の10月2日午後4時、シーサイド公園で待ち合わせ」することにしました。
私はこの日先約があって旧丹原町、西条市中川公民館の講座に招かれていたので、まず午後1時から始まる講演をこなさなさなければなりません。前日そのことをかぎつけたちろりん農園の西川さんからも電話が入り、「あなたの話を夫婦で聞きに行きます」との連絡を受けました。折角だから西川さん宅へ立ち寄ろうと早めに家を出て12時近くに西川さん宅に到着しました。西川さんとはもう20年来の深い付き合いで、彼が私を勝手に「ししよう~」と呼んだり、彼の出版した「晴れときどきちろりん」という本の序文を書いたりしているのです。
彼が自宅横にゲストハウスを造った時、私たち夫婦はお祝いに叔父に書いてもらった「第二縁開所」という看板を持参してお岩煮に駆けつた間柄なのです。何年かぶりで久しぶりに訪ねた第二縁開所は随分使い込まれ、芸予地震で隙間が出来たと聞いていた壁も綺麗に修復され、ドラム缶をはめ込んだ簡易な囲炉裏も造られていました。西川さんは連絡どおりあいにく留守でしたが、奥さんにお茶を入れてもらい少しの間積る話をしました。
カーナビで探し当てた中川公民館は直ぐに見つかり、女性職員と講演直前まで楽しいおしゃべりをしました。やがて2階のホールに50人を越える人を集めて講演が始まりました。終始笑いに包まれ居眠りする人もなく1時間30分の講演を無事終えることが出来ました。
最初は小松インターから高速に乗る予定でしたが、桜三里を通って川内インターから乗った方が早いというアドバイスを受けて、そのとおり進みました。桜三里の追い越し車線はスピードが出るのですが、取り締まり重点区間なので自重気味な走りました。案の定取締りをしていて何台かの車が捕まっていたようです。
桜三里を下った頃、約束していた方から電話が入り、二名で伺うはずの東京からのお客様がホテルに到着しないので少し遅れるかも知れない」と電話が入り、3時40分頃にはシーサイド講演に帰る予定だったタイムスケジュールに少し余裕が出てきました。
自宅に帰ると急いで普段着に着替え妻と二人で連絡を待ちました。昨日は東京からのお客さんが女性だと聞いていたので妻も同伴することにしたのです。相手の女性は飛行機に一便乗り遅れたそうですが何とか午後4時30分にシーサイドに姿を見せました。
早速翠小学校の外観、わが家の煙会所、海舟館、人間牧場と夕闇迫る自慢の施設を巡り、潮路という海鮮レストランに案内しました。双海と私を渡辺さんが指定したということは夕日と魚料理と直感し、レストランの女将さんに事前にその旨を伝えていましたが、鯛、アワビ、サザエ、ウニ、鱧、アマギなどの旬の魚が所狭しとな並べられ、親しく歓談をしながら舌鼓を打ちました。残念ながら曇り空で夕日は見えませんでしたが、幸運にも西の空が焼けて幾分かの夕焼けを見ることができました。2時間余りの会食を終え、女性の方の宿泊先である第一ホテル、そしてキャリアの方の官舎がある持田まで無事見送ることが出来ました。帰りに孫たちの顔を見ようと娘のマンションと息子のマンションを訪ねました。昨日も24時間があっという間に過ぎる忙しい一日でした。
「退職を したというのに 忙しく 毎日過ごす 楽しきことよ」
「この町と 私を指名 する友の 心情察し 魚もてなす」
「寄り添いて 客をもてなし してくれる 妻に感謝の 一日終わる」
「孫笑顔 疲れふっ飛ぶ 活力に 夫婦ともども 力いただく」