〇つかの間に福山城を訪ねる②
福山城で侍姿の銅像に出会いました。近づいて碑文を読むと福山藩7代目藩主阿部正弘でした。阿部正弘といえば僅か25歳で江戸幕府の老中となり、27歳で老中首座に就任、幕臣として幕末の安政の改革を断行した人です。人材育成のために藩校弘道館を誠之館に改めて身分によらない教育を行った人で、2008年の大河ドラマ「篤姫」では草刈正雄が好演して話題になった人です。
安静の改革は安政の大獄といわれる生みの苦しみもあって、吉田松陰などが投獄処刑されたりもしましたが、まさか福山藩の藩主だとは知りませんでした。私の歴史の知識もこんな薄っぺらいものだと、自分自身の浅学を悔いました。
お城の直ぐ下には美術館や博物館などが立ち並び、その周囲の修景は景観賞にも選ばれるなどしていて見事でした。また美術館前の広場には立派な美術オブジェがあって、和洋新旧が見事にマッチしていました。夕闇迫る公園では市民が長閑に散歩を楽しみ、時折近くを通過する新幹線の白い物体が、一瞬だけ時の動きを感じさせてくれました。
福山城周辺の散策は1時間弱で終わりましたが、今度広島方面から新幹線に乗る時は是非東京に向かって左側の席をキープして福山城を列車の中から見て見たいと思いました。つかの間でしたが、思い切って福山城を訪ねてよかったとしみじみ思いました。
「福山は 日本らしさの 残る街 友も知らない 穴場発見」
「安政の 大獄吉田 松蔭と ここで繋がる 歴史赤糸」
「新旧と 和洋が見事 マッチした 公園ひとり のんびり歩く」
「桜咲く 季節楽しみ 再訪を したいと心 決めて去り行く」