○二人の青年
昨日の夕方人間牧場に松下政経塾の塾生である青年二人がやって来ました。一人はもうご存知の希望の島フォーラムを企画した兼頭さんですが、もう一人は島根県横田出身の塔村俊介さんです。兼頭さんと出会ってからもう一年余りが過ぎましたが、彼に出会ってからやたらと松下政経塾が気になり始め、松下政経塾生や卒業生によく出会うようになりました。例えばよく出会う新居浜出身の衆議院議員小野晋也さんは松下政経塾の第1期生で、政治家としても頑張っていますがむしろ思想家として多くのことを学ばせてもらっています。先日上島町弓削島で開催した希望の島フォーラムで貰った松下政経塾のパンフレットに次のような紹介文が載っていました。
人間を磨き志を磨く道場といわれる松下政経塾は、松下電器産業の創業者である塾主松下幸之助が、自らの経験と直感から、数十年前に、「日本は益々混迷の度を深めていく」と今日の日本の危機的状況を予見し、この難局を打開するためには「新しい国家経営を推進していく指導者の育成が何としても必要であると思い、私財70億を投じ、1979年財団法人松下政経塾を設立しています。
塾生は全寮制で、寝食をともにしながら3年間研修を行なうものの常勤の講師はいなく、理想の国家経営はどうあるべきか各自仮説を立て現場の体験を積み重ねながら自得してゆく、「自習自得」「現地現場」「切磋琢磨」などを研修の基本方針としています。そして卒塾後は理想の実現に向け自らの道を切り開いて行こうとしています。
自習自得、現地現場、切磋琢磨の他にも、徳知体三位一体や万差億別という研修方針があるようです。徳知体三位一体とは「時代を牽引する指導者にはパラダイムや哲学を構築できる感性、深い洞察力、歴史的かつ世界的視野が必要であり、同時に力強く健全な肉体も必要である。しかし全ての前提となるものは、真に人々の幸せを願い、行動できる人間性である。よって政経塾では徳育に重点を置き、知育、体育を三位一体で進めていく」といっています。
また万差億別では「人間は一人ひとり違った顔を持ち、違った天分を持っている。いってみれば千差万別、さらには万差億別の存在だ。そしてその天分を生かし発展させることこそが、人間の幸福と成功につながるはずだ」と述べています。
兼頭さんはコミュニティビジネスを目指し、塔村さんは政治を目指しているそうですが、いずれの若者も未来に向って希望の灯を掲げ研修していて、目の輝きは政経塾の目指す人間と志を磨く道場であることを実感しました。その二人が人間牧場にやって来たのですからこれ以上の場所はないと思いました。人は様々な場所で様々な志を磨くものです。人間牧場のウッドデッキに立って黄砂けむる海を眺めていると、私はまるで坂本龍馬になったような気持ちになるのです。政経塾を作った松下幸之助の思いも人間牧場を作った私もその根底に流れている思いは一緒だと思いました。私には残念ながら70億円の私財などあろうはずはなく月とスッポンほどの差がありますが、思いや志だけは負けないと思いました。
始めて兼頭さんが人間牧場に訪ねてきてから早いもので早1年余りが過ぎました。その間兼頭さんには跡継ぎの息子も生まれ、彼ももうこの3月で卒塾です。知らない間に時代は流れているのです。
「志 持った若者 二人して 牧場訪ね しばし談笑」
「松下も 私も同じ心だが 札束もなし わが牧場は」
「牧場の デッキに立ちて 海を見る 竜馬のような 心になりて」
「この黄砂 はるばる海を 越えてきた 自然は偉大 人間愚か」