○様変わりの餅つき
いよいよ正月が近くなってきました。昨日は藁の袴を取り除いて水で清め、しめ飾りを作りました。昔は囲炉裏の側で父親が器用にしめ飾りを作るのを見て、見よう見まねで縄を編んだものです。しかしどうしても上手く出来ませんでした。それでも父は男の3人の息子にしっかりと手ほどきをしました。お陰で私は中学生になった頃にはいっぱしのしめ縄が作れるようになっていました。あれから45年も歳月が流れましたが、遠洋航海で珊瑚海にマグロを追い正月不在だった高校3年生の時を除けば、毎年しめ飾りを作るのは長男たる自分の仕事と肝に銘じ、しっかりと受け継いできたのです。
最近はしめ飾りもホームセンターなどに行けば裏白やだいだいが付いたものが売られて、田舎は別ですが殆どの家庭で買ったものを使っているようです。
私は4種類のしめ飾りを作りました。まずおたまじゃくしといわれるおたまじゃくしに似たしめ縄を10個作りました。車や仏様、水神様用です。玄関は本宅と隠居にありますが、隠居の玄関はおたまじゃくしの大きいのを作りました。本宅は縄暖簾のような格好をしたそれは立派なもので、竹笹に結んで使います。神様は海老の形をしたものです。途中人が訪ねてきて中断しましたが、2時間ほどで仕上がりました。寒い頃なので隠居で父と談笑しながらの作業となりました。多分こうした奉り事をしっかりと受け継いでいる長男を頼もしく思ったに違いありません。
今日餅つきをしました、餅つきといっても昔のように臼と杵でつくのではなく、生活改善グループの人に頼んで特産品センターの加工場で私も加わってつきました。加工場には立派な餅つき機あって、ひと臼4升ものもち米が蒸気蒸し器から移されてペッタンペッタン自動でついてくれます。つき上がった餅は切取り機で大きさも同じ餅になって出てくるのです。この餅つき機は私が担当していた頃入れたので思いも一入です。
一斗二升の餅つきは僅か1時間ほどで終了し美味しそうなお餅が出来上がりました。
餅もしめ縄もおせち料理までも買う時代、正月の意味もあったものではありません。これでは神様や仏様も戸惑っているのではないでしょうか。あーあー、世も末です。
「縁起など言わぬは良いこと違いないでも正月は目出度くもなし」
「しめ飾り我は伝統受け継いだでもわが長男興味示さず」
「もち米が餅になるのを知らない子雑煮食べつつ何と説明」
「しめ縄を作るわが家の年の暮れみんな元気は神のお陰か」