shin-1さんの日記

○民という言葉

 35年間も官職をいただいて生きてきた私にとって、官を捨て民に立場を置いてみると、想定内のこととはいえ想定外の場面にも相当出くわします。官社会では常識なことが民からみると非常識なことはいっぱいあります。そのことに気付くには官ながら絶えず民的発想で考える習慣を身に付けることと、官から民に変わった私のような人間の助言に耳を傾ける方法など、幾つもの選択肢があるようです。最も悲劇は官の側にいる人が官の非常識な考えにまったく気付かず、そのまま一生を過ごしてしまう愚かさでしょう。

 公民館、民活、民力、民衆、民具、民話など民と名のつく言葉は多いのですが、その言葉の響きに何故か田舎的な匂いがすると思うのは私だけでしょうか。官は盛んに民に参加や協力を求めたがり、そのことを少しの言い訳に行政を進めています。しかしよくよく考えれば本当にやって欲しいのは、住民参加ではなく行政参加、つまり官が民の活動に参加しなければいけないのです。

 私は300戸余りの自治会の会長をしていますが、一斉清掃や盆踊り大会、同和教育講座など開催しても官たる役場職員、学校の先生などの参加は殆どなく、あれこれ忙しいと理由をつけて顔を見せません。

 先日もある自治会の集会を日曜日に計画しました。ちらしや有線放送で2週間前から周知をしていました。たまたま知人の役所の職員に一週間前顔を出くわせ、参加するようお願いしました。彼が言うには「その日は重要な会議があるのであいにく行けない」というのです。からり晴れたその日、私は集会の準備のため早朝、単車で集会所へ出掛けました。途中にその職員の家の前を通って驚きました。部下数人と一緒にゴルフの道具をトランクに積んでいました。私は顔を合わさないようにその場を通り過ぎましたが、彼は私の姿に気付いてそそくさと車に乗り込んでしまいました。

 彼にとって重要な会議とはゴルフのコンペだったのです。しかし官の平気で嘘を言う習慣は民から見ると非常識な世界以外の何ものでもありません。ゴルフに行くも結構、ゴルフコンペを断れない義理もあるでしょう。そうであれば「先約があるので」と正直に言えばいいではないですか。後日私に彼は断りの電話をかけてきました。

 官の嘘つきは官の信用失墜を意味します。昔あなたの給料は誰から貰っているのと尋ねたら「市長さん」と答えた大馬鹿な公務員がいました。給料は民の納めた税金、つまりあなたの給料は市民からいただいているという心をしっかりと肝に命じて欲しいのです。

  「常識と思う人あり公務員民から見るとそれは非常識」

  「給料が下がった減った嘆くけどそれででも高いあなたの値打ち」

  「たばこ吸うお茶飲む時間もメーターは回りぱなしのあなたの給料」

  「時給率計算すると直ぐ分かるあなたはいかに特権階級」

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