○こりゃあ便利だねえ
私の旅の企画立案はこれまで、もっぱら分厚い時刻表に頼っていました。飛行機や新幹線、バスを乗り継ぎながらどうすれば早く安く目的地に着けるか、まさに知恵を絞ったものでした。時刻表をめくりながら空想の世界で風景や食べ物などを思うのも時刻表の魅力でした。
ところが時刻表は毎年ダイヤ改正によって更新されていくものですから、少なくとも一年に一回は時刻表を買い求めなければなりません。特に分厚い対時刻表の殆どのページは見ることもなく紙ゴミに変わってゆくのですから勿体無いといえば勿体無いのです。
私のパソコンの腕が少しだけ上達したのか、今はヤフーで時刻表の検索が出来るようになって、明日向かう福井の芦原温泉へのアクセスもいとも簡単に画面に表示され、しかも時間や金額までプリントされるという、考えられない影の味方が出現したのです。
しかし、悲しいかなページをめくった時刻表ほどのワクワクは残念ながら味わうことができませんでした。
それでも行きも帰りも乗り換えや金額までも分かったのですから、列車の中はのんびりと車窓に映る雪景色を楽しみながら本でも読もうと思っています。勿論駅弁も食べたいのですが残念ながら列車の中は行きも帰りも午前中なので、今回は残念ながら車中での味覚は味わうことが出来そうにありません。
福井といえば越前海岸は水仙の名だたる名所です。私の町にも水仙畑があって早咲きの水仙が早くも咲いていますが、越前は雪に埋もれて水仙が咲くのは春になるのでしょうね。一度だけ水仙の咲く頃に列車に乗って通りましたが、急峻な北向きの地形は私たちの町とよく似ていました。本当は水仙を切って持って行きたいのですが、長旅なのでそれも適いません。でも清楚な水仙の咲く地域の人との交流を楽しみにしています。
「水仙の香りほのかに漂いてわが町一足早い春来る」
「雷鳥という名の列車乗り込んで北国目指すわれは旅人」
「雪降ると文字がメールに書き込まれ頭の中に銀の世界が」
「寒いからパッチに下着とうるさくもバックに詰める妻の優しさ」