○田舎の面白い話
昨日車の中で田舎の面白い話に花が咲きました。
「おらの親父は口癖のように『おらはもう長生きしたって仕方がない』と毎朝いいますが、そんな口の下テレビで覚えたんじゃろか、サプリメントなる横文字を知ってて、栄養剤を買って飲んどります」
「おらの隣のじいさんは『おらの人生下り坂』といっとりますが、『登りきってもいないのに何で下り坂ぞ』と返したら『そらそうじゃあ』と大笑いしました」
「うちの隣のばあさんは少々耳が遠い。『ばあさん、この野菜消毒しとるんか』と聞いたら『消毒液は余るほどかけとらん』と答えました。消毒しとるんじゃろうか、してないんじゃろうかそれでは分からんのです」
「こないだ老人が集まってクロッケーしとりました。ばあさんの持っているクロッケーの玉に、愛子、小百合などとええ名前が書かれてありました。『ばあちゃん昔の人にしてはええ名前ですな』と尋ねたら、『えっへっへ、これは私の名前じゃありません。これは若嫁の名前です。この玉を足で踏んづけ木槌で叩くとスーとしますらい』というのです。田舎では嫁姑の関係も難しいものです」。「でもこのおばあちゃんが悪いのではありません。時代が悪いのです。このばあちゃんは嫁に来た頃姑に散々いじめられました。私が姑になったら若嫁に仕返しせんと死んでも死に切れんと思とったら、今度は若嫁に『ばあちゃんは古い』といじめられるのです。仕方がないから長男の嫁になったばあちゃんたちが相談して、せめてクロッケーの玉に若嫁の名前を書いて憂さ晴らししようと考えたのだそうです。考えてみれば、旦那は戦争に行き、子どもは育てにゃあならんし、ましてや喰うものにも着る物にも事欠く貧乏暮らし、ええこと一つもありませんもんなあ。せめてクロッケーぐらいはさせてあげましょうや」
「うちのじいさんが『最近は耳が遠くなって困る」というのです。俺はじいさんに言ってやりました。『耳が遠くなっても近くなるものもあるんじゃきんこらえないかん』『そんなもんあるんか』と聞き返しましたんで『じいさん小便が近くなっとろうが』いうたら、納得しました。
どうですか、こんな話聞いたら面白い話どころか同情する感じませんか。こんな村のひそひそ話は山ほどあります。今思いつきましたが、まるで人情落語話とでもいえる「進ちゃんのひそひそ話」を一冊の本にしたら面白いと思いました。何時の日にか必ず・・・・・と考えました。
「言っちゃダメそう言いいながら口の下絶対言うなと次々人へ」
「スピーカー名前のついたおばあちゃん今日もせっせとあることないこと」
「厚化粧誰に見せるかおばあちゃん三途の川が近いというのに」
「ロボットが歩いているよな歩き方笑っているけどやがてあんたも」