○土産に饅頭
「自分が旅に出る」「人が視察に来る」、そんなやりとりの世界にいる私の元へは全国の手土産が買ったり届いたりで、年中無休ダイエット中の私の妻を悩ませています。手土産は大きく分けると砂糖に塩にアルコールの3種類でしたが、最近はわざわざ宅配便で送ってくれる自然食品までまちまちです。砂糖で圧倒的に多いのは饅頭や洋菓子、クッキーなどですが、本当はこれが一番舌触りがいいものですから、包み紙を開ける前からヨダレが出そうなものが沢山あります。早速渋いお茶を入れ、貰った人のことを話しながら口に運びます。甘さを抑えないと売れないから、そんなにカロリーも高くないと調子に乗れば、付けは必ず体重計や下腹が証明してくれるのです。
塩は味噌、醤油、せんべい、漬物などですがこれがまた白いご飯に合うものですからつ、いついお変わりです。野菜だからと気を許すのですが塩分の取り過ぎは成人病の原因になります。これも要注意でしょう。
地酒と称するアルコール類も豊富です。箱やビンにも凝ったものが多く、焼酎ブームにあやかって日本酒の苦戦を尻目に焼酎が店先を独り占めしそうな勢いです。
近頃は視察に来ても議員さんなどは重い荷物を持つのが苦手なのか、先か後に宅配便というのもありますが、野菜や果物が一箱ドーンと送られてくる事だってあります。
こうしてみると日本人は余程土産好き人種とお見受けします。私などはこれ程旅をしても余程のことがないと土産は買いませんが、出会いの数の多い私の所へは左様なことで土産物が集まってくるのです。しかし大家族だった私の家も気がつけば息子とおじいちゃんを加えた標準的な4人になって、消費はそれほど多くはなく、勿体無いものですからついつい近所へおすそ分け、ところがおすそ分けはおすそ分けの原理を生んで、また珍しいものが届くという珍現象は際限なく広がってしまうのです。
賞味期限も気になります。昔だと賞味期限なんて気にする前になくなっていましたが、今は期限を見てから食べる習慣がついて、妻は包みを開けると箱にマジックで大きく○月○日と、賞味期限を書いているのも勿体無い生活の知恵でしょうか。
先日八幡浜へ講演に行った折、校長室で饅頭談義に花が咲きました。PTA会長さんが和菓子屋のご主人だったものですから、お茶請けは日の丸みかんと饅頭でした。薄皮饅頭をいただきましたがほっぺが落ちるほど美味しかったです。なんでもご主人のおじいさんは百歳を超えているそうで、「百歳饅頭」をおじいちゃんに作ってもらって売り出したら売れる知れないと、大笑いをしました。でもひょっとしたらひょっとして売れるかも知れません。その時は私が宣伝部長を勤めましょうと言って分かれました。その学校は妻の母校なものですから、その時貰ったお菓子を昨晩いただきながら「百歳饅頭」を語りました。
「これ喰えば百まで生きる饅頭を作れば売れる甘いお話」
「百爺が私の仕事の道しるべ次は私が娘導く」
「小学生相手に話難しい大人言葉を言ってもチンプン」
「大切なものは何かと訪ねたら家族と言った笑顔忘れじ」