まちづくり人は得てして家族や地域と対立するものです。理想に燃えて活動すればするほどその分、家族や地域がおろそかになって、時には反対されたり地域や家庭と不和になります。かく言う私も随分そのことには悩みましたが、幸い家族や地域の深い理解と後押しがあって、むしろ大きな力になりました。
今回の「人間牧場」構想もそうした危険性をはらんでいました。そりゃあそうでしょう。合併というアクシデントではあっても、失職・無職の男が自分の夢などと戯言を言って我を通すのですから・・・・。でも私の家族は違いました。妻は貧しくも慎ましやかな35年の結婚生活で、世界中で一番の私の良き理解者に変身しているし、息子も設計というかかわりの中で反感・反目の親子関係から、共有・共感・共鳴へと変わってくれました。嬉しいことです。もっと嬉しいことは、息子が「まちづくり人」である私の意思を受け継げることです。
私は生まれ育った双海町を日本一愛していると自負しています。そのことが息子たちに受け継がれるとしたらこれ以上の喜びはありません。日本人にとって自分のふるさとへの想いは最も大切なことですから・・・・・。
「人間牧場」づくりは、家族の絆を強くするという、そしてまちづくりに対する想いを確認するという意外な副産物を生みつつあります。