人間牧場

〇旧温泉郡中島町を訪ねる(その2)

宝山亭の前に広がる姫ヶ浜海水浴場
宝山亭の前に広がる姫ヶ浜海水浴場

 姫ヶ浜海水浴場と言えば、近郷に知れた有名な海水浴場です。最近はトライアスロンの会場としても使われているようですが、何度か訪ねたことはあるものの、本当に久しぶりの訪問でした。私の知恵を借りたいという座談会の会場は海水浴場の中ほどにある民宿宝山亭でした。ここの女将は小田美恵さんという私と同年代の女性で、ふと気がつくと同じフェリーに三津浜から乗っていたようでした。
 参加者は富永さんと古野さん、それに中島ゆうきの里・中島天恵農場・百姓という名刺を差し出した80歳がらみの老人泉精一さんと、農業・岡田義之さん、それに宝山亭の女将小田美恵さんの5人でした。

 前もって古野さんから電話で概略な話を聞いていましたが、話によると高齢化の進んだ野忽那島を有機の島として売り出そうというのです。この「島まるごと有機の島構想」は、かなり冨永さんの理想論が先走っているように感じましたが、渡されたA43枚のコピーには、面白いアイディアがいっぱい詰まっていて、実現すれば日本でもかなり注目を集めそうだと実感しました。しかし地域づくりはそう簡単にできるものではありません。私がいつも言っている言葉ですが、「いいこととできることは違う」からです。高齢化率70パーセントを越える島で、この構想を実現するためには、クリアーしなかればならない問題が余りにも多いような気がしました。

 W2Hに当てはめ、What-何をするのか、何から始めるのか、When-いつまでにするか、Where-どこで仕事をするのか、情報はどこにあるのか、Why-何故この仕事をするのか、Who-誰がこの仕事に関係しているか、How-方法や進め方、owmuch-幾らいるのかなど、思いつくまま整理をして見ましたが、まるで気の遠くなるような話です。ただこの話の推進には、既に中島で数十年にわたって有機農業に取り組んでいる有名な泉精一さんという実践家や、若い実践家岡田さんも加わっている強みがあるのです。野忽那島は航空写真で見ると北海道の姿にまるでそっくりでした。かつてはシーサイド留学の島としても有名でしたが、子どもがいなくなりその実践も残念ながら消えて久しいようでした。
 もしこの構想を推進するなら、当てにならないといいながら行政のバックアップも必要だし、実態調査や、推進組織を立ち上げなければなりません。また地域おこし協力隊のような部外の強力な知恵と力も必要となってくるものと思われます。第1回の話は程ほどにして、泉さんと岡田さんの有機農業の実態を知るべく、二人の案内で二人の農場を訪ねました。

  「構想は 凄いもんだが いざ実践 問題余りに 多く難問」

  「有機には 勇気がいると 実感す 社会の波に 逆行なので」

  「実践家 変わり者だと 世間では これが普通の 世の中つくる」

  「百姓と 書いた名刺を 持つ人の 生き方凄い 見習いたいが」

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