人間牧場

〇上灘四国88ケ所踏査(その7)

 上灘四国88ケ所の出発と終わりは久保集落の正光寺ですが、踏査の実態を最終章報告(その7)は大栄集落です。雪に埋もった奥大栄から大栄に入ると、県道沿いの剣な斜面に1体の石仏がありました。登ることさえ不可能と思える4mを超える高さなのに石仏の横には、恐らく地元の人が供えたであろうシキビが置いてありました。その後大栄の人たちが作って畑の畔に展示しているチコちゃん人形などの案山子を横目で見ながら、順次石仏を巡りました。

 大栄公民館の裏道沿いには石仏の後ろに隠れるようにもう一体の石仏が安置されている珍しい場所もあって、中々見応えがありました。正光寺の1番から午前10時ころに始めた上灘四国88ケ所の踏査が終わったのは、陽も西に傾いた午後5時ころでした。おたふくでの昼食を挟んで、急ぎ足ではありましたが行方不明の60番を除けば全ての石仏を踏査することができました。途中土砂崩れや積もる雪に行く手を阻まれましたが、これまでで一番短時間での踏査となったようです。

踏査を振り返って思うことはいっぱいありました。中でも石仏の置かれている場所がかなり傷んでいて、このままでは存続が不可能ではないかと危惧しています。石仏への信仰伝承は石仏周辺に暮らす人々の自主性に委ねられていますが、その人々も高齢化や過疎の進む中では中々といったところのようでした。差し当たり一度希望者を募り上灘四国88ケ所ツアーでも計画して、町民にこの実態を知ってもらうことから始めようかと、3人で相談しました。上灘四国88ケ所はわが町が遺し伝えなければならない貴重な文化的歴史遺産です。行方不明の60番石仏を探すこともとりあえずです。

「急ぎ足 たった一日 わが町の 88カ所 車で踏査」

「このままじゃ 88ケ所 草埋もれ 分からなくなる 何とかせねば」

「とりあえず 行方不明の 60番 石仏探す ツアーを計画」

「過疎高齢 生活文化 守るには 余りに難題 多過ぎ困る」

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