人間牧場

〇九重町野上公民館でのまちづくり講演会(その2)

 九重町は平成の大合併をせず単独で残っている町です。そのため人口は1万人余りの熊本県と県境を接する小さな山あいの町ですが、高速道路が入っていて大分や別府は勿論のこと博多や佐賀、熊本にも近くすこぶる便利な町なのです。聞き及べば一時流行った公民館から公民館職員を引き上げる方法が取られていましたが、最近になって再び公民館職員が配置されたそうで、公民館がコミュニティセンターに衣替えする風潮に逆行する流れの中で、嬉しい朗報を聞きました。あいにく公民館職員は東京へ出張していましたが、役場職員OBがまちづくり協議会のお世話をしていて、何か始まりそうないい予感を感じました。

 この日の講演会は田舎らしく平日の夜に開かれました。しかし田舎の夜の、しかも雪が20cm以上も積もる悪天候では、危なくて来たくても来れない人が多いのです。私が控室で会長さんや事務局長さんと話をしている最中も、ひっきりなしに欠席の電話がかかって来ました。急遽会場の椅子を講義方式から座談方式に席を並べ替えたりして準備をしましたが、集まったのは20人弱でした。主催した会長さんも事務局長さんも盛んに人数の少なさに恐縮していましたが、私は10人もあれば地域づくりはできるので、気にすることなく時間通り講演を始めました。用意したマイクを使わず、意識して地声で約2時間意見交換も含めて喋り続けましたが、皆さん熱心に聞きながらメモを取る姿がとても印象的でした。

 地域づくりにとって人数は余り問題ではなく、やる気の人たちがどうアクションを起こすかが重要なのです。質問に答えて運動と活動の違い、すなわち戦略と戦術の違いについて話をしました。町を美しくするというのは戦略です。掃除をしたり看板を立てたり、花を植えるのは戦術です。地域づくりの大切さは論を待ちませんが、「なぜ、どうして」の理論体系がしっかりしていないと、地域住民を正しい方向に誘導することはできないのです。
 今田舎では高齢化と過疎化、それに少子化が同時に進行し、縮む社会へと突き進んでいます。こんな地域は諦めると完全にゴーストタウンになる危険性があります。行政は地域の自立や共同と参画の必要性を声高に言っていますが、やるのは地域住民だと、財政難や人手不足を理由に何の手立てもせず放置しています。遠のく行政サービスの中で住民は不安を隠せず、細々と生きています。行政の無策を批判しても何の解決もできません。要は私たちが田舎暮らしに自信を持って楽しみながら生きることなのです。

  「雪のため 来たくて来れない 人ありて 次から次へ 電話が入る」

  「人数は 少ないけれど やる気の人が 多く集まる」

  「熱心に メモをしながら 講演に 聞き入る姿 いやはや嬉し」

  「田舎では 色々問題 あるけれど 楽しく生きる それが第一」

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