人間牧場

〇ジョン万次郎に憧れて

 小学5年生の時学校の図書室で、井伏鱒二著「ジョン万次郎漂流記」を読んでから、すっかりジョン万次郎に憧れて半世紀が過ぎました。この一冊の本に書かれた歴史上の人物ジョン万次郎が、私の人生に最も大きな影響を与えたことは、後の私の経歴を見れば歴然です。
 貧乏漁師の家に生まれたこともどこか似ているし、宇和島水産高校の実習船愛媛丸で遠洋航海に出て南太平洋でマグロを追い、満船帰航時伊豆半島沖で低気圧の洗礼を受け、1月酷寒の海で生死の境をさまよったことも、遭難して鳥島まで流されたジョン万次郎と重ねることが出来るのです。

足摺岬に建つジョン万次郎の銅像

足摺岬に建つジョン万次郎の銅像

 この本の影響で、私が「アメリカへ行きたい」と思うようになったのは小学5年生の時からでした。世の中は不思議なもので、その後30歳の時、総理府派遣第10回青年の船の班長として、太平洋を渡り建国200年のアメリカへ本当に行けたのですから、まさに「夢はドリームではなくターゲットである」としみじみ思うのです。以来21世紀えひめニューフロンティアグループを立ち上げ、「無人島に挑む少年のつどい」を20年間も行い、丸木舟を造って瀬戸内海航海もしましたが、いつも不屈の精神で難局を切り抜けたジョン万次郎の姿が私を勇気づけてくれたのです。

 幕末の英雄として有名な坂本竜馬は郷士といえど武士の出身で、ジョン万次郎は取るに足らない漁師出身です。また脱藩したといえど勝海舟の門人となり、神戸海事操練所に隣接する海舟の私塾の塾頭をつとめ、身につけた知識や技術で亀山社中、土佐海援隊を率いるのです。竜馬は貿易に対幕戦争にと活躍し、ついには薩長同盟の実現に漕ぎつけ、また明治維新の精神ともいうべき五箇条のご誓文のもととなった、「船中八策」を独自で策定しているのです。しかし果した役割が時勢の中で際立っているため、必ずしも人物の真実を伝えていないのです。例えば北辰一刀流の剣術を学んでいますが必ずしも剣の達人ではなく、ピストルを使ったり、日本最初の新婚旅行といわれていますが、小松藩家老小松帯刀の方が10年も早く霧島へ新婚旅行に出かけているのです。

 英雄坂本龍馬にも影響を与えたと思われるジョン万次郎は、低い身分だったゆえ、アメリカで学んでいるのに、いつも軽んじられているのです。二人の出身地である高知県でさえもジョン万次郎の知名度は今一で、坂本龍馬と四万十川を冠にした企画をすれば、人が集まり物が売れる珍現象に胡坐をかいて、ジョン万次郎のことなど余り知ろうともしないのです。
 やっかみや僻みではなく、日本もジョン万次郎の正しい評価をしなければならないと、最近アメリカで再評価されつつあるジョン万次郎の人物像を、もっともっと勉強したいと思う今日この頃です。

  「図書室で 一冊の本 巡り会う あれから今も ジョン万次郎」

  「ヒーローは 龍馬と誰も 疑わず 歴史の陰に スーパーヒーロー」

  「この2年 ジョン万学び 魅力増す もっと学んで もっと生かそう」

  「膨大な 資料手元に 届いたが 読み解くのには もっとスキルを」 

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