shin-1さんの日記

投稿者: | 2006年11月26日

○旅先で拾った話題②

 中国地方を旅するには、幾つもの峠や九十九折の曲がりくねった道を通らねばなりません。それが嫌で双海町~松山~岡山~米子を予讃線鈍行各駅停車~特急しおかぜ~特急やぐも~山陰本線各駅停車と乗り継いで峠越えをするのです。でもこれまた特急の前後のまるでキセルのような乗り継ぎの時間が長く、結局は早立ち遅帰りの時間帯を狙うためマイカーになってしまうのです。それでもこのところの穏やかな季節の変化を肌で味わうような紅葉織りなす山々を見る旅にマイカーも捨てたものではないとしみじみ思うのです。この62年間のわが人生において今年の秋くらい中国山地の紅葉を堪能したことはないのです。

 先日そんな旅先である面白いものを見てしまいました。猿とイノシシと鹿なのです。猿は断崖絶壁の上、鹿は車の前を横切り、イノシシは農家の庭に吊るされて、それぞれ場面や光景は違っていましたが、それでも人間と自然の近さを垣間見る思いでした。人里に住むわが家だってイノシシや狸、それに野ウサギやハクビシン、それにキジの話題がブログの記事を飾る田舎者にとって猿やイノシシや鹿の話題はさして珍しいことではありませんが、それでも目の当たりにすると思わず車を止めて見とれたような光景だったのです。

 鹿はその俊敏さから一瞬でした。自分の目の前を立派な角を持った大きな鹿が横切ったのです。まさに一瞬の出来事で、思わずブレーキを踏んでしまいましたが、このハプニングに私の心臓はパクパクと暫くの間音を立てて驚きを隠せませんでした。「鹿に注意」なんて書かれていても出くわすのは初めてですから、あれがもし人だったらなんて思うと、その日は速度をゆるめ安全運転に気を配ったものです。

 数日前、峠道の急峻な地形で何か動くものを発見しました。運良く側に路側帯があったので車を停めて道上のその様子をじっと眺めていました。通りかかった他の車も私が口を開けて上を見ているので「何事ですか」と相次いで4~5台が停め、私と同じように口を開けて見るのです。その猿の集団はご家族なのでしょうか4~5匹の群れで、下の交通量や私たち人間様の仕草にも意に関せずといった雰囲気で悠然と何かを食べて休んでいました。

 私はふと先日ニュースステーションで見た青森県下北半島の猿の話題を思い出しました。下北半島はニホンザル生息地の北限として猿を特別天然記念物に指定をしています。温泉に入ったりする北国ならではの独特の暮らし方はコマーシャルの出るほどユーモラスな話題でした。しかしその猿も最近絶滅どころか増えすぎて1500頭にも上っているのです。その猿たちは餌稼ぎのためにしばしば民家の近くまでやってきて農作物を食べ放題で、深刻な鳥獣被害の実態がリアルに紹介されていました。網で囲った農地も人間に近い猿知恵で人間の方が負けて様々な方法を試みるのですがお手上げの状態だというのです。保護獣を傷つけると法律で罰せられるので、自警団が結成され少し軽めの空気銃で追いかけるのですがいたちごっこならぬ猿ごっこで何の効果もないと聞きました。猿にとっても厳しい北国の冬を乗り切るための手段でしょうが、人間様にとってもこれこそ死活問題です。さて人様はこの光景を見て他人事だと猿に味方するでしょうが、私のようにイノシシに植えた芋を全て持ち逃げされ悔しい思いをした人間にとって見れば、人間様に同情するのは当然のことなのです。増え過ぎた猿は人間と猿の一定のルールに従って処分するのが大岡裁きではないかと思いますが、それにしても人里に下りてこなければならない猿の事情も察してやりたい心境です。

 信号で何気なく止まった車の、何気なく目をやった農家の軒先に突如として大きなイノシシがぶら下げられているのを見ました。そのイノシシは太っちょな人間の大人くらいの多分100キロを越すような大物なのです。私は信号を超えた安全な場所に車を止めてその庭先にお邪魔しました。猟友会の方でしょうか、今さばかんとする前で研がれた包丁が何本も置かれていました。聞くところによるとこのイノシシは昨日射止めたそうですがかなり抵抗して、追い込んだ猟犬も牙で痛めつけられたとのこと、憎さ百倍といった感じでした。

 中国産地のあちこちには波型トタンで囲った畑や電流を流す電線柵が沢山目に付きます。その殆どはイノシシ防御のための投資なのですが、その数たるやおびただしいもので、今では人間が人間の作った防護柵の中で暮らしているような錯覚する覚えるほどなのです。あえなく射殺されて吊り下げられる運命を辿ったこのイノシシの姿を見ているとまるで絞首刑を前にした西部劇映画のワンシーンを見ているような哀れさでした。最早この地でも人間と自然界動物との共存も難しくなってきているようです。

 道には狸やイタチなど無数の野獣が交通事故死しており、その肉を求めてカラスが群がっている光景を当たり前の光景として自動車は通り過ぎてゆきます。最初は驚いた私も慣れてきたのかそんな光景を見慣れた光景として通り過ぎる人間になっているようです。

  「猪鹿猿 まるで花札 見てるよう 山里巡る 野生王国」

  「人間が 囲いの中で 生きている 猪世界 何とも奇妙」

  「優美です でもやることは シカとやり過ぎ 木の芽木の皮」

  「昔見た 猿の惑星 映画かな 今に日本は 猿群制圧」

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