人間牧場

〇松山市大街道アーケード街を歩いていると
 昨日の夜夕食会を終え泊っている大街道口の東急ホテルへ帰るため、アーケード街を歩いていると、一人の女性に出会いました。もう何年も出会っていないので、最初は通りすがりましたが、お互いふと立ち止まって見返り目と目が合いました。

 相手の女性は「若松の進ちゃんじゃない?」と言葉をかけ、私も〇〇ちゃん?」と間違わず名前を呼び合いました。昔なら時めいたのかも知れませんが、今はただの初老の同級生でした。あれこれ立ち話をしてその後の近況を知らせ合いましたが、ご主人をなくし今は子どもと一緒に近くの町で過ごしているようでした。

 少女の頃や女子青年の頃は美しかった女性も今は歳相応で、恐らくその女性から見れば私も歳相応に見えたであろうことを想像しながら、時の流れを感じました。連絡がしたいというので、手持ちの名刺入れから名刺を1枚取り出し渡しましたが、女性も紙切れにスマホの電話番号を書いて渡してくれました。

 帰宅後その女性のことを妻に話すと、「電話をしてあげたら喜ぶかも」と言ってくれました。そう言われるとますます困った私でした。

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〇背丈より高い所へ上がるな
 一昨年庭に植えている高さ3mのクロガネモチの木の剪定をするため、脚立を立ててよじ登り、剪定を始めたところ脚立が突然倒れ、下の地面に落下し息が出来ないほど思いっきり体を打撲しました。

 それから一週間は寝返りもできず、骨が折れたりひびが入っているかも知れないと、大事を取って近くの診療所でレントゲンを撮ってもらいましたが、打撲だけで異常はないとのことで安心しました。

 その折お医者さんから「幸い頭も脊髄も損傷がなく不幸中の幸いでした。若いと思ってももう歳だから背丈より高い所へは上がらないようにしてください」と、湿布薬を沢山貰い注意をされました。

 「分かった。これに懲りて」とはその時思ったものの、「喉元過ぎれば何とやら」で、間もなく祭りも来るのでそれまでには何としても庭木の剪定だけはと思いついて始めています。庭木も成長して大きくなり、かなり手間暇かかるようで先が思いやられます。

 私が脚立に上がった瞬間妻がやって来て、「危ないから止めて」といい、脚立が倒れないよう手で押さえてくれましたが、「ほっといたら誰がするのか」といいながら、妻のいない時を選んで性懲りもなくやっております。

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〇彼岸花の咲くころ
 一週間続いた秋の彼岸もあっという間に過ぎ明日は彼岸明けです。各地から彼岸花の頼りが続々届いていますが、わが家の裏庭にも本数は少ないものの今年も1~2輪咲いていて、他の花には見られない不思議な自然が作り出した姿にただただ感心しながら見とれています。

 今年は高知県出身の植物学者牧野富太郎をモデルにした連続テレビ小説「らんまん」を暇さえあれば毎日のように楽しみに見ていることもあって、花に関してはまちづくりで菜の花や水仙など長年花咲く町づくりをリードしてきただけに関心も高く、家のあちこちにその名残の花を植えて楽しんでいます。

 しかし花づくりは根気のいる仕事で、種を蒔いたり苗を植えたり挿し木をしたりの世話が大変で、今年のように高温な日が続くとしなかればならければならず、いつも世話が行き届かず枯らしてしまうことも度々です。その点彼岸花のように自然に育つ花は季節が来ると自然に咲き、恐らく来年も咲いてくれることでしょう。

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〇暦は嘘を言わない
 暑い暑いと言っていたのに、昨日の夜から温度が急激に下がり始めました。昨日と今日は秋特有の季節風である、通称「くだり」といわれる北東の風がかなり強く吹きました。今朝のウォーキングは半袖半ズボンで歩いているのは私だけのようで、中には薄手のジャンバーを羽織っている人もいました。

 昼間は30度を超え、朝晩は20度前後まで下がると、朝晩の気温差が10度もあり、これから少しの間は体調管理に気をつけなければなりません。タオルケットから毛布へ、半袖から長袖へ、妻も忙しく夏物の片づけをして深まろうとしている秋の気候に備えようとしています。

これまでは畑の野菜はピーマンとナスとオクラが沢山採れていて、おかずには困りませんでしたが、これからは端境期で畑には食べる野菜が残念ながらありません。妻は既に私の常食で通称「リンキャベ」と呼んでいるリンゴとキャベツを用意して食卓に並べてくれるようになりました。新米も友人が一俵届けてくれました。そろそろ里芋とサツマイモを掘ろうと思っています。

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〇教えを伝えにやって来た2人の若い男性
 半年に1回ぐらいの間隔で、突然家の玄関のチャイムを鳴らす2人の若い男性がいます。在宅なら玄関先に出て立ち話をしますが、今日は畑に出て農作業をしていると息子が「お父さんお客さんだよ」と呼びに来てくれ、「誰だろう」ととりあえず作業を中断して玄関先まで来ると、1~2度玄関先で出会った見覚えのある顔でした。

 身なりもちゃんとしてこの暑いのにネクタイやマスクもしていました。早速ハガキほどの大きさの紙を手渡されました。その紙切れには、「両手いっぱいに仕事を持つよりも片手は休息で満たす方がいい」と書かれていました。私の場合はこの言葉の真逆で両手で抱えきれないほどのあれこれをもって毎日忙しく暮らしていて、願わくばこの言葉のようにせめて「日々の半分は休息で満たす方がいい」ことは分かっていますが、背に腹は変えられず現在に至っています。

 でもそれが果たしていいことなのかと自分自身に問うたなら、少しだけ首をかしげてしまうのです。ふと我に帰りせめて「片手は休息で満たす方がいい」という気持ちで過ごしてみようと思い始めました。縁もゆかりも殆どない2人の若者が初老を迎えた私に有難い言葉を津炊けるためにやって来てくれました。いい反省の一日でした。

「何であれ どんな人であれ 耳を貸す 私の基本は 学ぶ心だ」
「渡された はがきサイズの カードには 片手休息 大事と書いて」
「そう言えば 私は年中 両手にて 仕事をいっぱい これでいいのか?」
「いい言葉 聞いたからには 少しでも 考え行動 帰る努力を」

 

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〇誰と話しているのだろう?
 今朝ウォーキングをしていると、顔見知りの人がそれぞれ違った犬を連れて歩いていました。最近はマナーが良くなって利き腕には犬をつなぐ紐の他、もう一つの手ではうんこを拾い集めるためのナイロンの袋と歩いているひともふえてきましたが、犬のおしっこは始末しようもなく、垂れ流しと言ったところのようです。

 最近少し高齢になったため、免許証を返納したという女性は一人暮らしゆえ捨てられていた柴犬を拾い自分で育てているようで、聞けばもう買い始めて15年近くになるようで、犬の世界の年齢からすると老域に達しているようで、数年前までは犬にご主人様が引っ張られて歩いていましたが、最近ではウォーキングには足手まといくらいのスピードでしか歩いていないようです。

 この女性は一人暮らしのため家で唯一の話し相手はこの犬ゆえ、「歩きながら誰と話しているのだろう?」と思う程犬に話しかけています。私には人間の言葉にしか聞こえませんが、犬はご主人様の言葉が分るのか、それなりの対応をしているようでした。犬になったことがないので分かりませんが、お互いそれなりのコミュニケーション能力のようでした。

 最近は少子高齢化、核家族化が進み、寂しさを紛らわすためか、自宅で犬や猫と言ったペットを、人間と同じ室内フロアーで飼っている人が増えまてきました。動物愛護の観点からするといいことですが、自然災害で避難所暮らしを余儀なくされたり、ペットが亡くなった時の落胆や葬儀、日常的な世話など悩みや問題も多いようです。

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〇今日は少し遠出の宇和島出張です
 午後1時過ぎから宇和島市立城南中学校で金融教育の会議があり、伊予市双海町から海岸国道378号から左折し、肱川に沿って大洲まで出て高速道路を自家用車で走って宇和島へ到着しました。走行距離は片道約80キロでした。この学校へはこの2年間で今回が4回目です。さあまもなく会議が始まります。

 地元の特産品であるみかんを巡る値段について公開授業があり、授業参観しましたが、最近の学校教育は一人1台のタブレット端末が与えられ、授業の様子やグループワークで出た意見が瞬時に教師のタブレットに届くようになっていて、新型コロナの後押しもあってデジタル機能の進化には驚ろくばかりでした。

 その後先生と私たち金融広報アドバイザーの懇談協議会が行われ、それぞれが意見を述べあいました。この2年間金融教育指定校になっているため、様々なアプローチやサポートを私流に行ってきましたが、城南中学校が宇和海中学校時代から40数年にわたって継続している沖ノ島の天然記念物ハマユウを守る派生した環境問題SDGs運動もいい取り組みです。

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〇スマホのトラブル
 このところスマホの電源を入れると、やたらと広告画面が出始め、「あなたのスマホの容量が95%に達しました。掃除する必要があります。」と警告画面になったりしてそちらに誘導するのです。これは可笑しいと思い、孫に見てもらったところ、これは買ったドコモ店に相談した方が良いという結論に達し、一昨日予約もせずに10時開店の伊予店に行きました。

 それほど混んでいなかったので5番目の順番で担当者に見てもらいました。どうやら政府から警告が出ている掃除のマークのアプリが何らかの操作で紛れ込んでいたようで、早速スマホの掃除をしながら悪質なアプリを消してもらい、元通りに復元することが出来ました。デジタルに疎い私ゆえ傍で見ていても次に同じように汚染されてもお手上げなので、相談があったらいつでもどうぞと丁寧な言葉をかけていただきました。

 ガラケーからスマホに替えて4年余りが経ちました。帰り際担当者から「そろそろ新しい機種を買い替えたら」と言われました。調べてもらうとポイントも6千円くらい溜まっているので、ポイントを使えば安くできるそうなので、考えてみたいと思っています。実は3年前ズボンのポケットに入れたまま洗濯機に入れ水没したかに見えましたが、水を余り入れてなかったため、利用可となり現在に至っています。どうしようか、大蔵大臣と相談中です。

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〇敬老の日
 昨日は敬老の日でした。今や100歳になった人が全国には9万5千人もいて、愛媛県内にも100歳以上に人が1506人もいるのですから驚きです。かく言う私も敬老の対象で間もなく誕生日が来ると79歳になるようです。

 昔は「親孝行したい時には親はなし」と言われていましたが、今は「親孝行したくないのに親がいる」という川柳がぴったりの世の中になりましたが、4人の子どもから敬老の日のプレゼントが届くと、このまま生きてていいのだろうか?と多少不安にもなります。

 男性の平均寿命は81.05歳、女性は87.09歳ですが、健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳です。その差男性8.37歳、女性11.71歳が介護若しくは要介護が必要な人を含めた高齢者なのです。

 私のように健康寿命を7年過ぎてもなお健康な高齢者も沢山いますが、健康を害して介護若しくは要介護となると、自分自身もつらいですが、家族に迷惑をかけてしまうので、しっかりと体の調子を整えて夫婦ともども生きなければなりません。いよいよ正念場です。

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〇年輪塾での学び
 瀬戸内海を見下ろす標高300mの小高い丘の上に、念願の人間牧場を造ったのは今から18年も前のことです。なぜ「人間牧場」を造ったかは話せば長いことなのでさておき、私が代表をしている21世紀えひめニューフロンティアグループでは、10年で40回を目指すフロンティア塾を双海町東越の廃屋を利用して開きました。

 40回目はあの有名な永六輔さんを招いて打ち上げとなりましたが、その流れを引き継ぐ形で「年輪塾」を開くことを決めました。年輪塾はこれまでと違い「先人に学ぶ」ことを主眼として、民俗学者宮本常一、二宮金次郎、ジョン万次郎、中江藤樹の教えや生き様をそれぞれ2年間リレーでみっちり学ぼうとするものでした。

 いずれの先人も学ぶほどに奥の深く、それでいて大きな足跡を残した歴史上の人物なので、学びが深まるにつれて学びに参加した人の心の変容が現れたようです。例えば二宮金次郎の教えは時代が変わろうとも変わらない人間の生き方だと思っています。私は報徳社の鷲山社長さんとのご縁もあって報徳という月刊雑誌を購読していますが、先日鷲山社長さんから私宛に手紙が届きましたが、同封のファイルの表に「積小為大」(万象具徳)、裏に「報徳4つの教え」が載っていました。

 至誠=いつも真心をつくし、感謝の心を持つ、勤労=一生懸命学び、考え、働く、分度=自分にふさわしい生活をする、推譲=譲りあい、助け合いを心がけるという4つが書かれていました。【報徳】=恩恵に感謝し、人や物の持つ徳(よさ・長所)を活用して社会に役立てていくことと書かれていました。味わい深い教えなので肝に銘じて実践したいものです。

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