〇農具の修理
わが家は第一は両親が漁師をしながら、母親が農業を営むいわゆる半でしでした。ゆえに漁業にまつわる道具類もやたらと多いのですが、農具と称する道具もそれなりにあって、処分できず倉庫の隅に吊り下げられたり立てかけています。ふと親父が晩年使っていた鍬がまだ使えるのに傷んだままになっていました。捨てるのも勿体ないと思いつき直すことにしました。柄とクサビを抜き、研いだカ柄をを削って穴に入れくさびを打ち込み、鍬の背に電動ドリルで穴を開け、適当な長さに切った釘を差し込みました。地掘り鍬2本と平ぐ話1本の計3本を修繕しました。使ってみるとこれが中々使い勝手がよく、新たな命を得たようでした。「わしも中々やるわい」と多少自信のようなものが産まれました。傍で見ていた妻が「お父さんも器用じゃねえ」と褒めてくれ、益々有頂天になりました。親父から「お前は不器用」とレッテルを押された息子(私)の復権でした」