〇気力の低下は老化現象なのか
先日同じ年齢の友人から、「最近気力が落ちたように思う。これも老化現象の一種だろうか?」と尋ねられました。聞けば周りの人からは「余り無理をするな」と注意を受け、その次に来る「もう歳だから」という言葉に甘えて、無理どころかあれこれやらずに過ごしていると、その内だんだん気力が低下して、紋々の日々を過ごしているとのことでした。
「ところで進ちゃんはいつも元気そうに見えるが、気力の低下を感じないのか?」と聞き返されました。かく言う私も家族や周りの人から「余り無理をするな」と有難い忠告を受けています。しかし多少無理をしないと老化の一途を辿ると思い、「無理をしない程度の無理」をあれこれやっています。その基本は二宮金次郎の教え「積小為大」で、小さなことの積み重ねです。
老化の原因は3つの生物学的要因が絡んでいます。1つ目は加齢によって思考や記憶をつかさどる脳の中の前頭葉が萎縮し、感情コントロールや変化への適応が難しくなるようです。2つ目は精神を安定させる神経性物質である、幸せホルモンと呼ばれる、「セロトニン」の分泌が歳をとるごとに減って意欲が沸きづらくなるようです。3つ目は男性ホルモンの分泌量が減ることで、意欲の低下だけでなく人付き合いも億劫になりがちになります。
つまり、ただ漠然と生きるより、加齢に伴う生物学的要因と戦う姿勢が必要なのです。私のモットーにして毎日続けている小さな実践を積み重ねる積小為大はいい行いのようです。私の話に耳を傾けていた友人から、「さすが進ちゃん、素晴らしい話を聞いた。私もこれからでも遅くないので、やる気を起こさせるような小さな実践を積み重ねたい」と固い握手をして別れました。