人間牧場

〇欠点は裏から見れば長所かも
 今から70年ほど前の昭和30年に、上灘町と下灘村が合併して双海町が誕生した時は人口が1万人を超えていました。20年前の平成17年に伊予市・中山町と合併して新生伊予市が誕生したものの、人口減少の波は一向に収まらず、双海町の人口も3千人余りとなり、いよいよ将来が危なくなって絶滅危惧地や消滅地のレッテルを張られそうな雲行きです。

 自分自身が間もなく80歳を迎え足腰の弱りつつある高齢者ゆえ、思っても考えても何もできず、諦めつつただ死を待つだけではつまらないと思い、自分に出来ることを色々考えながらやってはいますが、焼け石に水のようなあがきにも似た空しさも日々感じています。私が住んでいるわが町も勿論そこに住んでいる私も欠点だらけですが、欠点も裏から見れば長所かもと思うこともあります。

 双海町役場でまちづくりを担当していた頃、まちづくり青年会議の30人をわが私設公民館煙会所に集めた時、彼らが発した言葉は田舎嘆きの10ヵ条でした。⓵田舎には仕事がない、②田舎には活気がない、③田舎には文化がない、④田舎には嫁が来ない、⑤田舎にはプライバシーがない、⑥田舎には遊び場がない、⑦田舎には狭い道しかない、⑧田舎にはいい店がない、⑨田舎には情報が遅くて少なくて古い、⑩田舎には信号が3つしかないでした。まさに欠点だらけの町・人でした。

 この欠点を裏返しにして変えようと努力した結果、⓵田舎には仕事を作りだす喜びがある、②田舎には源私力を燃やすエネルギーがある、③田舎には次の時代の文化を創り出す力がある、④田舎には女性にもてる男を磨く山や川や海がある、⑤田舎には人を気遣う最高のコミュニケーションがある、⑥田舎には時代にもて遊ばれないアイディンテティがある、⑦田舎には人間を優先する道がある、⑧田舎にはデッカイ自然界の店がある、⑨田舎には情報の原点である情けと場の報がある。⑩田舎には季節を告げる信号がある。で・し・た。あるあるあるぞ、ないものはないぞでした。

 

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