〇GNPとGNH
最近は横文字が日常的に使われるため、聞いても分からないまま分かったようなふりをしてやり過ごしていることが多いようです。GNP(国民総生産)とGDP(国内総生産)と聞いても、どう違うのかさえ説明できぬ愚かさです。辞書で調べれば分かるのでしょうが、今は優れもののネットで調べれば、GDPが国民総生産から一年間の中間生産物の額を引いたものだと分かりますが、「じゃあ~」と更に深い意味を追及されると「●✖÷?・・・・」で諦めてしまうのです。
最近GNHなる横文字が何かと話題になっています。人口僅か64万人のブータン国首相が国際会議で演説してから、GNHという言葉はすっかり有名になりました。「国民総幸福量」と訳しますが、GNPやGDPがその国の経済的豊かさを表す経済的指標であるのに対し、GNHは心の豊かさを表すのに使う指標なのです。日本はGNP世界第二位の経済大国にまでなりましたが、経済的に豊かになってもなお物質的欲が強く、児童虐待や事件事故など様々な問題が表面化しています。
平成になって早くも30年が経ちました。昭和天皇の大位を皇太子が継承することから、平成もあと僅かで終わりですが、多発する自然災害などを自助・共助で乗り越えながら、GNHの豊かな国になって欲しいと願っています。GNHには①精神的な幸せ、②健康、③時間の使い方、④教育、⑤文化の多様性、⑥ガバナンスの質、⑦地域コミュニティーの活力、⑧環境の多様性、⑨生活水準という9つの指標があるようです。
①精神的な幸せ(生活満足度・ポジティブな感情・ネガティブな感情・精神性)
②健康(自己健康認識・健康な生活・身体・精神の不自由)
③時間の使い方(仕事・睡眠)
④教育(識字・学校教育・一般教養・価値観)
⑤文化の多様性(手仕事の技術・文化的行事への参加・母国語の使用・伝統的な作法)
⑥ガバナンスの質(政治参加・行政サービス・政府の遂行能力・基本的権利)
⑦地域コミュニティの活力(寄付=時間とお金・安全・コミュニティのつながり・家族)
⑧環境の多様性(野生動物被害・都市問題・環境に対する責任・環境に関する問題)
⑨生活水準(所得・資産・住まい)
「GNP 追い求めたが 豊かさの 裏に隠れた GNH疎か」
「これからは GNHが大事だと ブータン首相 日本に向けて」
「平成が 間もなく終わる この時期に 深く反省 よい国目指そう」
「まず自分 そこから始める 第一歩 9つ指標 納得しつつ」