〇金のなる木があったらなあ~
自称「貧乏人」の私ですが、「ボロは着てても心は錦、どんな花より綺麗だよ」と、歌手水前寺清子さんの歌を思い出しつつ、日々つつましやかながらも楽しく暮らしています。貧乏人は「お金があったらなあ~」と、いつも他愛のないお金持ちになることを夢見ています。わが妻もその典型で、一年に何度か宝くじを買い、「お父さん、一億円当たったら旅行に連れて行ってあげる」などと、当たらなかった宝くじに失望しながら再々チャレンジしています。
何年か前、椿さんにお参りに行った時、沿道に並んだ出店の植木屋さんに立寄り、「金のなる木はありませんか?」と店番をしている主人に聞きました。「お客さん、金のなる木があったら私も欲しいです」と返されました。それから雑談めいた話になりました。「この店にクロガネモチ・マンリョウ・センリョウ・ヒャクリョウという木は売っていますか?」と尋ねると、「はい全部売っていますと言うので、ご主人に「クロガネモチは金持ち、マンリョウは万両、センリョウは千両、ヒャクリョウは百両で、『金のなる木』として売ったら売れますよ」とお話ししました。
「あなたは面白い人ですね。来年は考えてみましょう」とのことでした。その明くる年、椿さんにお参りしての帰り道、昨年笑い話をした出店の植木屋さんに立寄ると、テントの向こうに展示している木々の中に何やら面白い看板を見つけました。「縁起のよい金のなる木は如何でしょう!!」と書かれていて、クロガネモチの木には「くろ金持ち」、マンリョウの木には「万両」、センリョウの木には「千両」、ヒャクリョウの木には百両」と、遊び心半分の札をつけて売っていました。
ご主人は私の顔や話したたことをよく覚えていて、「お陰様で今年は金のなる木シリーズがよく売れています」と言って、小さなサボテンのような鉢植えをタダでお礼にくれました。これも巷では「金のなる木」と言われているようで、先日菜の花ウォークのイベント会場で、餅つきボランティアに参加した際、シーサイド公園の片隅に花をいっぱいつけた金のなる木を見つけ、懐かしくなって写真に収めました。植木屋さんから頂いたわが家の鉢植えの金のなる木も大きくなって、今年も花を咲かせていますが、私の努力が足らないのかまだ一向にお金は貯まりません。
「椿さん 植木屋店先 ご主人に 金のなる木は ないか尋ねる」
「クロガネの モチノキ気がつきゃ 金持ちと 読めるじゃないか ご主人喜ぶ」
「あくる年 私の提案 即実行 妙案お礼に 金のなる木を」
「この話 まるで落語の ネタのよう 私も中々 やるではないか」