〇お裾分けとわらしべ長者
ヒジキを茹でて、ほんの少しずつ近所や親類知人にお裾分けしたところ大層喜ばれました。別に自分がヒジキを元から作った訳ではないのですが、海からヒジキを採って来て、大釜で4時間火を焚いて茹でる手間を知っている人は、殊の外「大変だったでしょう」と労をねぎらってくれました。
昨日ヒジキを差し上げた親類の叔父さんから、「建て網にかかった魚をやるから取りに来い」と夕方連絡がありました。この叔父さんは90歳になったので、かかりつけ医者の勧めもあって、今年の春から70年以上もやっていた底引き網を廃業しました。廃業漁師ゆえ何もすることがないので、小伝馬船で建て網を思いついたそうで、昨日はその建て網に沢山のメバルやホゴ、メジナなどがかかったらしく、そのお裾分けでした。
沢山貰ったので、近所に住む西岡さんや宮栄さんにもお裾分けをしてあげました。西岡さんは隣町の直売所へ出荷する大根の準備をしていましたが、わが家も大根を作っているのでと遠慮しましたが、大きな大根を2本いただいて持ち帰りました。西岡さんの話によると今年の冬は温かかったせいか大根が大きくなり過ぎて、直売所では大きな大根は核家族の時代なので売れないそうでした。
持ち帰って家族に見せると、若嫁も孫も大喜びで、特に孫はいただいた抱えきれないほど大きな2本の大根を持って、写真に納まりました。若嫁は早速この大根と、私が粗調理した魚を料理して食卓を囲んでいました。ヒジキが魚になり、魚が大根になる。長者にこそなりませんがまさにわらしべ長者のようでした。田舎の日々の暮らしは決して便利ではありませんが、差し上げたり貰ったりと、人と人との温かい交流で身も心もほっこりです。わが家も今晩は、勿論叔父から貰った魚と西岡さんから貰った大根が食卓を賑わかせてくれることでしょう。
「茹でヒジキ 縁者に配り 喜ばれ 骨は折ったが 嬉しい反応」
「お礼にと 魚を貰い 喜んで 粗調理する 私の仕事」
「少しずつ 貰った魚 お裾分け お礼に大根 いただき帰る」
「長者には なれないけれど 差し上げ貰い 心ほっこり」