人間牧場

〇月火酔木堂と段々畑と無茶々園

 昨日西予市明浜町へ講演に出かけた折、廃校になった学校を利用して様々な取り組みをしている元小学校施設を講演終了後、原田公民館長さんの案内で見学させてもらいました。元音楽室だった一室に、酒井建設夜間部木工製作販売の月火酔木堂という一風変わった展示場がありました。中に入ると酒井建設の社長さんが造ったという様々な木彫りの作品が、まるでおもちゃ箱のように所狭しと展示され、桶の中に時計がある「おけどけい」とか、本物と見まがうほど精巧な革靴「はじめの一歩」、フォークにつけた丸い取っ手「フォークボール」、卓球ラケットに置いたピン球を押すと玄関チャイムが鳴る「ピンポン」などなど、なるほどと納得感心する作品ばかりでした。しかもそれらは全て社長さんの遊び心から生まれた木工手作り品でした。

まるで本物の靴のような木彫りの作品始めの一歩
押せば玄関チャイムが鳴るピンポン

その後原田さんと佐藤さんの案内で、白い石灰岩を石垣に積んだ耕して天に至ると形容される段々畑を見学させてもらいました。間もなく文化庁の景観に選定されるという段々畑は、宇和島市遊子水ヶ浦の段々畑とはまた一味違った景観で、中腹の農道から見えるリアス式海岸の風景や、雪の積もった鬼ヶ城辺りの遠望もまた見応えがありました。説明によると石灰岩の石垣も古くは明治時代や大正時代に、この地域に生きた先人が汗水たらして積み上げたものらしく、日本人の勤勉さにあらためて感心しました。昨年7月南予地方を襲った大雨は、未曽有の土砂崩れ災害を起こしましたが、この石垣は大雨にもびくともしなかった話を聞く度に、先人の知恵の凄さにただただ驚くばかりでした。

中腹から見える狩江の町並みや湾内
石灰岩の石積み石垣

 夕方、元小学校施設に戻り、無茶々園と交流をしている東京の生活協同組合パルシステム東京の皆さんの交流会に参加させてもらいました。海の幸や山の幸が沢山並び、シシ鍋まで美味しくいただき、同席した何人かの人と名刺交換しながらお話をさせてもらいました。私も何年か前までコープえひめの学識理事を6年間やった経験があるので、皆さんの活動の話を興味深く聞かせてもらいました。昨日は思わぬ雪を伴った悪天候に翻弄され、帰路の道が凍結の恐れがあるので、午後8時に雪がぱらつく夜道を一人、スリップ事故を起こさないよう注意をして帰路に着きました。今回もちりめん漁師祇園丸の佐藤さんと、原田さんの3人で、深くて広いこれからの人生について大いに語り合いました。意味のあるいい一日でした。

交流会の皿鉢料理

「学校の 廃校施設 利用して 素敵な取り組み 感心しつつ」

「一室に 社長の作品 あれやこれ 一つひねった アイディア感心」

「裏山の 段々畑 先人が 石積み開墾 風雪耐える」

「天皇賞 貰った凄い 無茶々園 都会の生協 招いて交流」

 

 

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