〇暮れなずむ町
ひと日の営みが終わる夕暮れ時は、自宅でのんびりくつろいで過ごす人が多いのに、私の場合はどういう訳か夕暮れ時になるとソワソワし始めます。妻からは「夕ご飯時にウロウロしないで欲しい」と、いつも文句を言われ、時々ズボンのポケットに入れている携帯電話が鳴り、妻から「今どこ?、食事の準備ができたので早く帰って!!」と呼び返される始末です。
一昨日も5時過ぎに単車を走らせ、暮れなずむシーサイド公園へ夕日夕焼けを見たい衝動に駆られ出かけて行きました。寒い時期なのでそんなに多くの夕日見学者はいませんでしたが、何組かのカップルが引っ付き合ったり手を取り合って、西の彼方に沈む夕日を眺めていました。勿論邪魔をするでもなく、とっておきの場所に移動しながら夕日を鑑賞しました。
冬のこの時期は乾燥した空気が澄んでいて、とても綺麗な夕日に加え、空が真っ赤に焼けて趣のある景色でした。あらん限りの知恵と力を出して造ったシーサイド公園も、いつの間にか24年の歳月が流れました。砂を大量に投入した人工砂浜や、近くに見える上灘漁港の赤い灯台も今や双海町の原風景となりました。いつまでも見飽きない景観でした。いきなりズボンの中の携帯電話が鳴り、妻が「今どこ?、夕食の準備ができたので早く帰って!!」と、相変わらずの口調で言われ、ハッと我に返りました。
「暮れなずむ 景色見たくて 単車乗り シーサイド公園 ひとり出かける」
「西の空 真っ赤な夕焼け 幾つもの カップル寒そう 寄り添い見入る」
「この公園 早くも四半 歳月が 流れ今年も 冬の風浪」
「赤灯台 点きつ消えつつ 道しるべ 沖に漁火 魚獲る船」