人間牧場

〇平和公園を訪ねる

 今回の講演依頼は長崎市のすぐ隣の時津町からでした。教育委員会の担当者から、「博多出発の特急かもめに乗って長崎を目指しますが、降りる駅は一つ手前の浦上駅で降りて下さい。そこからタクシーに乗って・・・」と指示がありました。一便早く到着したので早速路面電車に乗って、平和公園を目指しました。私はここが大好きで、長崎に来れば何度も訪ねている場所ですが、平和の祈りを込めて今回も寸暇を惜しんで記憶の道を辿り、要領よく平和祈念の像の前に到着しました。

長崎平和記念象
東南アジア系の観光客
平和公園の噴水
色鮮やかな平和公園裏の紅葉

 彫刻家北村西望作のこの像は、体全体で色々な主張をしています。垂直に高く揚げた右手は原爆の脅威を、水平に伸ばした左手は平和を、横にした足は原爆投下直後の長崎市内の静けさ、立てた足は救った命を表し、軽く閉じた目は戦争犠牲者の冥福を祈っています。被ばく10周年の1955年8月8日に完成しています。像の高さは9.7m、台座の高さは3.9m、重さ30tだそうです。訪れた昨日の午前中は、青空が広がる絶好の好天でした。

多くの観光客が訪れていましたが、自撮り棒で撮影したり、大きな声で話しているのは中国系や東南アジア系外国人のようでした。この人たちは70年も前この地に原爆が投下され、多くの人が犠牲になった悲しい出来事など、まるで興味がないような雰囲気でしたが、中には手を合わせて静かに合掌する日本人の年老いた夫婦の姿も見え、幾分救われた気持ちになりました。11時までには時津町カナリーホールへ到着する予定だったので、路面電車に乗り再びJR浦上駅へ戻りました。

「講演の ついでに公園 立ち寄りぬ 70年前 私赤ちゃん」

 「知らずでか 外国人の 人たちは 平和の祈り するでもなしに」

 「浦上と 言えば原爆 思い出す 昭和生まれの 心に深く」

 「記念像 指・足・腕と それぞれに 昨夜の願い 感心しきり」

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