〇「忘れ状が良い」も「良い」の部類です
3日前の日曜日、松山市民会館中ホールで開かれた「地域力パワーアップ大会」に、コミュニティアドバイザーとして出席し、パネルディスカッションに出演しました。気心知れた讃岐先生と前田先生と私の3人なので、打ち合わせなど殆どなくアドリブで3人が持ち味を発揮しました。
控室で久しぶりに出会った讃岐先生といつも変わらぬ雑談をしました。
讃岐先生「若松さんは幾つになった?」。私「早いもので72歳になりました」。讃岐先生「若いねえ」。私「はい名前も若松ですから」(大笑い)。私「ところで先生はお幾つになられましたか?」。讃岐先生「あんたより5つ上だから77歳です」。私「ほう、喜寿ですか。ええ歳になれましたね」。讃岐先生「歳と取ったら小便は『近くなる』し、耳は『遠くなる』し、『良いこと』はないと思っていたが、忘れ状は『良くなった』」と、傍のみんなを巻き込んで大笑いをしました。
讃岐先生が「忘れ状が『良くなった』」といった言葉は、私も歳が増えるにしたがって実感しています。歳を取ると「つまらん、つまらん」と嘆き節をよく聞きます。若い頃の「プラス力」と違って、歳を取ると「マイナス力」が増えてくるのは仕方のないことですが、忘れることは悪いことばかりではありません。あれほど2年前まで毎日毎日一喜一憂した親父の介護や親父の死も、既に2年が経つとまるでおとぎ話だったように、楽しい思い出話に変わるのですから不思議です。
若い頃は悲しいことや失敗したことを、いつまでの引きずって悔やんだりしましたが、今は悲しいことや失敗も直ぐに忘れて、仕方がないとポジティブな考えに変換できるのです。最近は忘れることもまんざらではないと思えるようになりました。先月はムカデに頭を刺され、スズメバチに目じりを刺され、挙句の果はスズメバチに追いかけられて、首筋や頭を6箇所も刺され3回連続でアクシデントに見舞われました。若い頃だと恐怖で菜園や人間牧場へ行くのをためらいますが、もうあの痛みなど昔の笑い話のようにすっかり忘れて、野良仕事に励んでいます。「忘れ状が良い」ことも、「良い」のです。でも「天災は忘れた頃にやって来る」のでご用心です。
「小便は 近いが耳は 遠くなる 歳を取ったら いいことないと」
「物忘れ 最近良くなり プラスだと 前向き考え 日々を生きてる」
「忘れるは 悪いことだと 思ったが ゆえにくよくよ せずに生きれる」
「さっきまで 私は何を してたのか 忘れ今頃 後の祭りだ」