〇田圃を傷めた子どもたち
わが家のすぐ下の田圃は、5月末に田植えを終えていますが、植えた早苗は日増しに大きくなり、水面には緑色の苗がまるで幾何学模様となって、行儀よく並んでいます。
昨日の午後、その田圃周辺から、賑やかな子どもの声が聞こえてきました。塀越しにその様子を眺めましたが、どうやら近所の保育園児や低学年の小学生がオタマジャクシを見つけて捕ろうとしていました。
気がつくと田圃の水の中には、いつの間にか数え切れないほど無数のオタマジャクシが育っていて、子どもたちにとってオタマジャクシを捕えることは、楽しい遊びの一つなのです。
わが家の3人の息子はそれぞれ大きくなって仕事に赴いていますが、子どものころは腕白で、オタマジャクシやカエルを捕まえるためこの田圃に入って、折角植えた稲苗を踏み潰し、親の責任として子どもを連れて何度も謝りに行きました。
昨日も、わが息子たちの少年時代と同じように、保育園児と小学生は泥んこになりながら、かなりの苗を踏み潰していました。「おじさんに叱られるから止めなさい」とたしなめましたが、今朝は田圃の持ち主のおばさんが、「今年もまた苗を踏み潰された」とブツブツ言いながら、残った苗を使って植え替えていたようです。難儀な話でした。
「下田圃 子ども賑やか 泥んこに なってオタマを 追い掛け回す」
「田植え終え 太り始めた 苗踏んで 嵐の跡の 静けさ無残」
「今年も またやられたと おばさんが ブツブツ言いつ 苗植え直す」
「夏が来て 田圃の中は 真っ黒に なるほどオタマ 無数に泳ぐ」