〇投稿記事についホロリとしました
今日の朝4時55分、いつものように書斎の窓から新聞配達のおじさんから、新聞を手渡しで受け取りました。毎朝「今日は寒いねえ」とか、「〇〇さんが亡くなったらしい」とか、季節の移ろいやご近所の話題を短い言葉で話すのですが、時々私が出張でいなかったり、休刊日だったりして何日か顔を見ないと、何となく食腸気味になってしまうから不思議です。
昨日の朝一本のブログを書き終わったところへ、いつものように新聞配達のおじさんが単車でやって来ました。昨日の朝は突風が強く吹き荒れ、車庫上の発電用風車も音を立てて回っていました。「今日は特に寒い」と新聞を私に渡したおじさんは、足早に単車に乗って隣へ向いました。私は受け取った新聞を一通り縦読みして、いつものようにウォーキングに出ました。寒い北西の季節風をまともに身体に受け、約40分歩いた後少し早足で帰宅して、新聞をダイニングの持って行き、食事をしながら新聞を読みました。
目に留まったのは投稿欄の「へんろ道」という囲み記事でした。若いころからよく知っている、伊方町三崎二名津の金森一臣さんの投稿記事でした。風の噂ですが金森さんの奥さんは若年性認知症で、いつかの投稿欄にも奥さんのことを書いていたので、風のうわさといいながら薄々そのことは知っていました。早速食事をしながら横に座っている妻に、この記事を声を出して読んで聞かせてやりました。書いた金森さんをよく知っているだけに、また認知症という病気がどういうことか知っているだけに、読みながら少し声がつまりました。
認知症の奥さんのリハビリを兼ね、手をつないで田舎の道を散歩する初老の夫婦の姿を頭に描きながら、自分の身に置き換えました。この一ヵ月妻は、膝に肉離れを起こしたことが原因で、少しいびつな歩き方をしています。それでも仕事や家事を休むことなく、また私もそんなに手助けもせず今に至っていますが、金森さんのような優しい心遣いには遠く及ぶべきもないのです。夫婦の絆は長年積み重ねて出来上がるものです。これまで祖母、母、父の世話をして順番にあの世へ見送ってくれた妻の世話を、今度は私がする番だと思っていますが、逆に妻に迷惑をかける訳にはいかないので、せめて自分の健康は自分で守る気概で頑張りたいものです。
「新聞の 投稿欄に 友人が 書いた文章 妻読み聞かせ」
「冬日和 田舎の道を 手を繋ぎ 歩く姿は ほほえましいなあ」
「私には とてもじゃないが できないと 友人誉める かくありたいと」
「老いの坂 そこまで迫り 他人事じゃ ないと実感 新聞読んで」