〇名残の秋と春の足音
昨日カーラジオを聞いていると、高松地方気象台では梅の花の開花宣言が、例年より1ヶ月以上も早く出されたようで、思わず「えっ」とわが耳を疑いました。確かに最近は外気温の暖かい日が続き、師走だというのに周囲の山々には紅葉が残り、ウォーキングをしている道端には、春の代表選手といわれるスイセンが早くも清楚で可憐な花を開かせているのです。
「何かが可笑しい」と実感はしても、それが何の影響か、またそれがどんな影響を及ぼすのかは知る由もありませんが、日本の各地でひんぱんに起こっている天変地異の出来事は、異常気象としか言いようがないようです。いつもの年だとこれからが最盛期のブロッコリーが、成長が進んであっという間に菜花に変身し、黄色い花を咲かせて食べられなくなりました。また例年だとこれからが旬の白菜も葉っぱが黒くなりはじめ、春までもちそうにない雲行きです。
私の家の家庭菜園さえそうですから、日本中では押して計るべしで、大根などは1本80円と信じられないような安さで消費者主婦を喜ばせていますが、方や大根農家は豊作貧乏で出荷しても採算が合わないため、畑にブルドーザーで穴を掘り、泣きの涙も出ないと嘆きながら埋めている様子がテレビで放映されていました。いつの時代もお天道様相手の第一次産業は豊作貧乏大漁貧乏、不作貧乏不漁貧乏という貧乏くじを引かされているのです。
良く似た花に山茶花とツバキの花があります。山茶花は冬迎えの花、ツバキは冬終わりの花ですが、このところの気温で山茶花とツバキが同時に咲いています。山茶花は花びらを散らし、椿は花ごと落ちるのですが、どうやら花散らしまで同時に進行するようです。それでも季節を愛でようと、スイセン2~3本とツバキ一枝を切って来て、一輪挿しに挿してダイニングに飾りました。いい香りいい雰囲気です。