〇干し柿作り
今年は柿のなり年で、渋柿は容易に手に入る雲行きでしたが、最近まで好天高温が続き、渋柿を干してもカビが発生して腐らせるかも知れないと、躊躇していましたが、ここに来て北西の季節風が吹き、気温もぐっと下がったことから、先日西条市の壬生川へ講演で出かけた折買った来た渋柿の皮を、若嫁に頼んでピューレで剝いてもらったので、紐でくくり、家の横の雨天洗濯干し場の物干し竿に吊るして干しました。
先日親友の稲葉さんが、家族の人数分を干し柿にして2個ずつ吊るしてくれていたのでその隣りに、5百円で買った20個余りを干しました。朝晩の気温もぐっと冷え込んで、風も少しあるようなので、1週間もすれば外側が固くなったのを見計らって、新しい軍手をはめて、揉んで柔らかく仕上げたいと思っていますが、毎年のことながらその見極めが微妙で、早過ぎると表皮が裂け、遅過ぎると固くなってしまうのです。
今年も西条市丹原に住む佐伯さんはじめ、多くの方々から富有柿を沢山いただきました。私は柿が大好物なので毎日のように、妻に頼んで皮を剝いてもらい、美味しく食べていますが、富有柿よりも干し柿の方がビタミンが豊富な自然食品なので、せいぜいその味を楽しもうと思っています。それにしても自然とは不思議なもので、あの口をゆがめるような渋柿が、天日に干すと何故甘くなるのでしょう。私の頭では到底理解説明ができないのです。
まあ余り考えるとノイローゼになるのでこの辺で止めますが、干ししいたけといい切干し大根といい、その製造過程で現物にはかなかった栄養素が、ドンドン増えてくるのですから驚きです。ただしそれら全てが手間暇かけないと出来ないうらみもあって、いいこととできることの違いを実感するのです。私は幸せなことに田舎に住み、先祖からそんな手間暇や味を伝承してもらってます。手づくりしたものをお裾分けして喜んでもらえることの喜びも知っています。干し柿の大好きな孫と間もなく、美味い美味いといいながら干し柿を食べることでしょう。
「暖冬で 干し柿作り 遅れたが 寒い北風 やっと吹き出し」
「物干しに 干し柿廉を 吊るしたる 風情田舎の 長閑な暮らし」
「天日干し すれば渋柿 甘くなる 何でだろうと 疑問の館」
「手間暇を かければ美味い ものできる 先祖伝承 感謝をしつつ」