〇長崎県佐々町に招かれました
2年前、長崎県長崎市で開かれた九州地区社会教育研究大会の記念講演に招かれてから、私の元へ九州の各県から沢山の講演依頼が入るようになりました。講演依頼の殆どは、「あの時の話をもう一度」ですが、2年前の講演でどんな話をしたのか、毎回アドリブで話す私は、「覚えていない」というのが正直なところです。多分かくいう私の話を聞いたであろう相手も、2年前の私の話の全てを覚えていないだろうと、鷹を食って「はいはい」と臆目もなく引き受けてしまうのです。
今回は佐世保から約40分ほどの所にある人口1万3千500人ほどの佐々町でした。12時に到着しないと午後の研修に間に合わないので、前日出発して前泊し、佐世保から松浦鉄道に乗って佐々町を目指しました。松浦鉄道も私たちの町と同じようなローカル線で、マッチ箱のような一両編成のジーゼル列車が長閑に走っていました。沿線に咲く菜の花などの花々を見ると、海沿いのため私たちの町と同じような季節の移ろいでしたが、佐々に入ると佐々川の堤防に植えられた、早咲きで知られる河津桜が帯をなして咲いていて、散歩花見を楽しむ人の姿が幾つも見えました。
11時37分に到着するとメールで知らせていたので、井手係長さん池田社会教育委員長さんのお二人が、駅まで出迎えてくれました。出迎えの公用車の屋根には看板が取り付けられ、「あいさつ日本一」の文字が見えました。聞けばこの町の中学校では生徒が学校に到着すると一礼し、学校を帰る時にも一礼して帰るという、長い間の伝統が息づいているのだそうです。土手の桜を見ただけでも、この美談を聞いただけでも、来た甲斐があったと納得の手合いでした。この日のプログラムは佐々町出身のマリンバ奏者角銅さんの演奏会と私の講演のジョイントでした。2時に開演し、マリンバの演奏が約40分、私の「まちづくりの新しい風」という演題での講演がその後90分でした。
文化会館の大ホールは800人収容でしたが、ほぼ満席に近い状態でした。角銅さんと日比さん二人の演奏も素晴らしく、私の講演も演奏に吊られたのか反応もすこぶる良く、満足の手合いでした。講演は聞きなれた人といった感じで、ステージで話す私の元に楽しい笑い声が帰って来て、私もマリンバ演奏に吊られてハーモニカまで吹いてしまいました。私の吹いた井沢八郎の「ああ上の駅」も、ペギー葉山の「南国土佐を後にして」も、沢山の参加者が合唱してくれたことには大いに驚きました。その後近くの居酒屋へ繰り出し、少人数でやった食談会は大いに盛り上がり、嬉しいご縁を沢山いただくことができました。
「学校に 行きも帰りも 一礼を する中学校 凄いものです」
「佐々川の 土手咲く桜 見る人が 汽車の窓から 長閑に見えて」
「コンサート 講演ジョイント 日ごろとは 少々違い 腕まくりして」
「今回も 深いご縁を いただいて 心ウキウキ 来た道帰る」