人間牧場

〇梅の土用干しならぬ土曜干し

 今年の夏は記録的な日照不足でした。そのため例年だと土用丑の日ころの、ギラギラ太陽が照りつける時期を選んで行なう、梅の土用干し作業をすることができず、未だに本漬けができない状態です。一度干し始めると「三日三晩の土用干し」をしなければならないので、天気予報を気にしながらその時期を窺っていました。夏が終わり初秋のころとなりましたが、全国的には相変わらず天気は不安定で、昨日も各地で時間雨量100mmを越す猛烈な雨が降ったようでしたが、私たちの地方ではどうやら天気が持ちそうなので昨日の午前中、思い切って倉庫から梅樽とサナを持ち出し、脚立をキャリーに乗せて足場を作り、一斉に干しました。

土用干しならぬ梅の土曜干し)
土用干しならぬ梅の土曜干し)

 今年は自家消費としてはかなり多い60kgほどの梅の実を、3つの樽に漬け込んでいます。3ヶ月ぶりに樽を開けましたがカビも見られず、中々の出来具合のようでした。金網ザルで優しくつぶさないようにすくい上げ、サナに行儀よく並べて干すのです。妻は仕事に出かけてあいにく留守でしたが、毎年梅の土用干は私の仕事と決めているため、段取りよく2時間ほどで干し終えました。サナに8つ干した梅は庭中に何ともいえない甘酸っぱい香りを漂わせていました。時折やって来る来客も、珍しそうにこの光景を見ていましたが、この上は天気が安定し雨に濡らすこともなく、干し上がるよう祈るばかりです。白露を過ぎているので夜露も十分採れるものと思われますが、はてさて遅れた作業で、梅干しの出来はどうなるか、少し心配です。

 3日後にはいよいよ本漬けです。壷や樽、それに梅干しを赤く染めるための塩漬け紫蘇も、既に妻の手によって用意されています。忙しかった現職の頃は、こうした生活全般のこまごまを、妻は一人でやっていました。退職後もそれなりに忙しく、みて見ぬ振りをしていましたが、そろそろ遠心から求心へと軸足を置き換え、妻の手助けをしなければならなくなったようです。
 昨日9月12日は妻の69歳の誕生日でした。照れくさくて花束やケーキなど、月並みな贈り物もしてやれませんでしたが、毎年のことながら気持ちばかりのプレゼントをしてやり、とても喜んでくれました。子育ては終りましたが、家事全般、親父の介護に加え今もパートで働く、働き者の妻に感謝しながら・・・の一日でした。

  「今年は 雨と日照 影響し 土用干しする 機会もなしに」

  「梅の実を サナに広げて 土曜干し 土用違いで 少し疑問も」

  「12日 プレゼントなど 照れくさく 月並み手紙 添えそっと置く」

  「梅干しは 三日三晩の 土用干し 毎日一個 食べる楽しみ」

 

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