〇上野地区公民館の高齢者教室に招かれて
伊予市には旧市街に4つ、中山と双海にそれぞれ1つ、合計6つの地区公民館があります。昨日はその中の一つである上野地区公民館の高齢者教室に招かれ出かけて行きました。合併で同じ市内になったといいながら、農山漁村地域の双海町とは、生活環境や暮らしも随分違っていますが、高齢者の置かれている立場はどこも一緒で、目まぐるしく変化する社会の中で、体と将来への不安を抱きながら暮らしているというのが正直なところのようです。
演題は「心豊かに生きる」でした。皆さんにまず手持ちの資料のメモ欄に一本の横棒線を引いて貰おうと思いましたが、殆ど全員メモを取る様子もないので、自分の後ろの黒板に板書をするように私が書きました。左端にゼロ歳、右端に100歳と書き、全国には100歳以上のお年寄りが5万人を越え、愛媛県内にも800人ほどいることを話し、100歳まで生きることが夢でない時代であることを認識してもらいました。昔は生きたくても生きられぬ時代でしたが、今は生きたくないのに生きなければならない時代であることも付け加えました。
さてこの自分の人生という横棒線に、自分の今の年齢と自分の目標とする死ぬ年齢を書き込みますが、皆さんにインタビューのマイクを向けて「何歳まで生きるご予定ですか?」と尋ねましたが、80歳とか100歳とかただそのときの思いつきで答える人が多いように思いました。これは上野地区の人だけではなく、自分の命は明日が分らないという人間本来の姿なのかも知れません。しかし結果的に100歳まで生きたのと、100歳まで生きようと思って生きるのとでは随分生き方が違うのです。
日本は平均寿命が男性80歳、女性86歳と世界一の長寿国になったけれど、平均寿命と健康寿命には6~7年もの差があることを考えれば、「健康で長生き」、つまり寝たきりにならない生き方を考えなければならないのです。そんな四方山話を面白おかしく笑いを交えながら、90分間話させてもらいました。午後1時30分という午睡の時間ながら、また人の話を30分も聞くと農のシャッターが下りるという年齢ながら寝る人もなく終ることができました。
帰り際、「楽しい話だった。ためになる話だった。また来てや」と声をかけられ拍手をいただいて会場を後にしました。帰宅後参加した人の一人からメールが届き驚ろきました。この日集まった人の殆どは、私と同じように学校でパソコンを習っていない世代です。でもこの人は独学でしっかりと習っているのです。メールには私の話への感想が述べられ、帰宅後生活設計をやってみたようでした。講演を聞いた全ての人の心を揺り動かすことは不可能です。でも一人でも私の話に耳を傾け、実践しようとしてくれたのですから、これはもう感動ものです。昨日はいい一日となりました。
「高齢者 50人ほど 集まって 私の話 入れ歯ガクガク」
「聞いたけど 右から左 抜けて行く これも年齢 仕方がないか」
「帰宅する メールが入り 読んでみる 驚きました 教室参加者」
「一人でも 私の話 真に受けて 早速実践 嬉しい限り」