〇スイカの切り方
私は自他共に認めるスイカが大好物な人間です。ゆえに夏の初めの7月中旬から8月中旬までの1ヶ月間は、殆ど毎日三度三度の食事の後は、そのことを心得た妻によって、デザートとしてスイカを食べさせてくれるのです。スイカは90%以上が水分なので、熱中症が気になるこの時期は水分補給に最適で、私につられて毎回スイカを食べる妻は、肥り気味な下腹を見て、「スイカのせいだ」と言っていますが、それは言いがかりというものです。
妻は酒を飲まなくなった私のために夏は2~3回、東峰の農家へ出向き、美味しいスイカを仕込んできて、冷蔵庫に冷やして食べさせてくれるのですが、わが家ではスイカの身だけを包丁で切って皿に盛ってくれます。ゆえにスイカの皮付きにかぶりつく豪快な食べ方はせず、小さめのフォークで種を除けながら、上品宜しく食べています。昨日友人の家に立ち寄ると、お茶代わりに切ったスイカが出てきてすっかりご馳走になりましたが、その家ではスイカを縞模様の緑濃い皮がついたまま出してくれました。この方法だと最初に芯の部分の甘い所を食べますが、最後は皮の部分に近づくため、後味が悪いと心の中で妻のやり方に軍配を挙げました。
スイカの切り方は諸説がありますが、わが家では水洗いしたスイカのツル部分と、底部分をまるで蓋を開けるように切ります。この時点でスイカの照れ具合が想像できるのです。その後半分に、さらに半分に切って四つ切りラップをかけて冷蔵庫へ入れます。半日も冷やすと今の冷蔵庫は性能が良いので、たちまち冷やしスイカの出来上がりです。四半分に切ったスイカを中心が頂点になるようザン切りにすればどのスイカも平等に甘い部分が振り分けられるのです。最近は家族の数が少なくなり、大きなスイカは冷蔵庫に入りにくいこともあって大玉より小玉が好まれるようです。
デパート等では処分の厄介なスイカの皮を取って、実だけにしてフルーツ感覚で販売したり、半月に薄く切ってラップをかけて売っていますが、わが家ではそんなものは買わないようです。祖母や母が存命中はスイカの皮さえ無駄にせず、縞模様の硬い皮を包丁で取り、塩を振って浅漬けにして食べていましたが、今はそんなことをする家庭もないようです。
お盆のこの時期になるとそろそろスイカも終わりに近づいて、スイカ愛好者としては寂しい気もしますが、今年はスイカ作りに初挑戦し、まずまずの成果を得たので、来年はもっと上手に自給率が上がるようにしたいものです。
「この私 スイカが大の 好物で 毎日三度 食後デザート」
「食べた後 体が冷えて 熱中症 ならずに夏を 快適過ごす」
「皮付きの スイカもやはり 風情あり わが家は上品 フォークで食べる」
「残念だ スイカの季節 早終る 食後デザート 何にしようか」