〇大分県別府明礬温泉での楽しい一夜(その2)
のんびりゆっくり明礬温泉を楽しみ、旅の汗を流して私だけが浴衣がけになり、午後6時30分から岡本屋で4人が食談会を行ないました。テーブルには沢山の料理が並び、普通だとお酒を飲みながらといったところでしょうが、私は酒を飲まないし、それぞれも車で帰らなければならないため、ノンアルコールのビールで乾杯をして始めました。宿が用意してくれたヤマモモの食前酒も、多少といえどアルコールが入っているので、私が少しいただきましたが、とても美味しい味でした。
美味しい地獄蒸しの豊後牛や野菜蒸しも最高で、話を肴に加えて大いに話が盛り上がりました。そのうち縄田さんの親友である岡本屋の若女将さんも姿を見せ、明礬温泉の活性化についても議論をしました。どの地域も活性化は大きな課題で、情報過多の中でいかに特徴を出して生き残って行くか、知恵の出しどころといったところでした。皆さんは明くる日の仕事もあるので9時過ぎに引き上げましたが、温泉の好きな私は再び乳白色の露天風呂に入りました。東京から来たというお客さんといろいろなことについて、袖すりながらお話をしました。竹垣の向うの女湯から女性の楽しそうな声もももれ聞こえましたが、そのうち「あっ、ホタルが飛んでいる」と少しざわついていました。
男風呂にも薄暗い明かりに照らし出された皐月の花と、優雅に飛び交う2~3匹のホタルがノスタルジックな雰囲気を醸していました。私もこれまで仕事柄全国いたるところの温泉を楽しみましたが、温泉とホタルのコラボレーションは初めてとあって、裸のまま少し興奮してしまいました。
明礬温泉の上には九州自動車道でしょうか高速道路のとてつもなく大きな橋脚がかかっています。まるで天空に架かる夢の橋のようにも見えました。ただ一晩中ひっきりなしに行き交う車の騒音が心なしか耳について網戸で寝たこともあって中々寝付かれませんでした。
「酒もなく アルコールゼロの ビール飲み 酔った雰囲気 だけを楽しむ」
「地獄蒸し 豊後の牛を トマト風 タレつけ食べる 絶品でした」
「天空に 架かった橋を 仰ぎつつ ついウトウトと 旅の疲れが」
「温泉と ホタルのコラボ 東京の お客感激 私も勿論」