〇5本指の靴下
最近温かくなって風呂から上がって寝るまでは、居間で靴下を履かず素足で過ごせるようになりました。ローカを歩く時は妻が買ってくれたお揃いの、イグサ風夏用スリッパを使用しますが、居間は畳なので素足で歩くと心地良い畳の感触が伝わってきます。
そういえば最近私は、出張する時以外は妻が買ってくれた5本指の靴下を履いています。血は争えないのか亡くなった私の祖母は外反母指が酷く、晩年は歩くのにも支障をきたすほどでしたが、私も左足に外反母指の症状が表れ、その症状は歳とともに酷くなってゆくようです。
祖母のような重度の外反母指ではありませんが、靴を履くと少し違和感があり、そのため靴もできる限りつま先の広い物を選んで買うようにしています。歩くのに支障がないのでこのまま手術等せずに放置しようと思っていますが、何故か気になっています。妻はそんな私のために10年前頃から5本指の靴下を買ってくれるようになりました。私は若い頃からアウトドアー派なので、農作業や活動の折長靴や地下足袋をよく履きますが、特に靴先が二つに分かれている地下足袋には5本指の靴下は便利で重宝しています。しかし指が5本に分かれているだけに破れる度合いも多く、時々破れた穴を見落として履いていて、妻に注意されることもしばしばです。
靴下は少々破れていても地下足袋を履けば何の支障もないので、貧乏性の私は穴が開いても捨て切れず使おうとしますが、妻は「恥ずかしいから止めて」と時々注意をするのです。妻は穴の開いた靴下を針仕事で繕うこともせず、無造作にゴミ箱へ捨てますが、昔母親が裸電球を中に入れて破れて靴下を繕っていた姿を知っているだけに「勿体ない」という気持ちが頭を持ち上げるのです。
今や靴下は使い捨ての時代です。妻が使っている薄いシルクのストッキングだって、ちょっと電線が入ると、惜しげもなくゴミ箱行きです。物を大切にするなんて言う考えを持った昭和生まれの私は古くなったのでしょうか。
「靴下を 毎日履いて 暮らしてる 素足の昔 どこか懐かし」
「五本指 外反母指の 私には しっくり足に 馴染んでいます」
「長靴や 地下足袋使う 私には 五本指ある 靴下重宝」
「ちょっとだけ 穴が開いたら もう捨てる 昭和生まれは 勿体ないと」