〇気がかりな親父の体調
この3~4日、近所の人が相次いで3人亡くなりました。近所の人ゆえ、母が亡くなった時葬儀に来てもらっているので、葬儀に参列したかったのですが、スケジュールが立て込んでいて、今日の葬儀に出席できないため、90歳を越えたおばあちゃん宅へは昨夜午後7時からの通夜式に出席させてもらいました。もう一人の80歳のおばあちゃん宅へは妻に代理を頼みましたが、この家では喪主を務めるご主人はあいにく入院中だったようで、通夜や葬儀に病院から帰ったそうですが、通夜式で再び体調が悪くなり、救急車で入院しました。ところが心労がたたったのかおばあちゃんの後を追うように病院で亡くなったそうです。したがってその家ではおばあちゃんとおじいちゃんの葬式二つを相次いで出すという悲しみに襲われました。
昨日通夜式に出席するため喪服を着て出かけようとすると、玄関先にいた親父が、「黒い背広を着てどこへ行くのか?」と聞くので、「ちょっとそこまで」と言って家を出ました。葬式や通夜、それに法要等に出かける時は、余り親父に言わないで出かけるようにしています。言うと「わしもそろそろ迎えが来る」とか、「いよいよわしの番」などと落ち込むからです。確かに95歳まで生きて、自分より若い人がどんどん他界すると、そんな考えをするのも無理からぬことでしょうが、年末から余り体調が思わしくなかった親父が、ここに来て少し元気になったような気がしています。戸外が暖かくなったせいでしょうか、最近は外に出て庭木の剪定までしてくれるのです。「庭木の剪定をしてくれて助かるけど、じいちゃんは自分のことだけをして、余り無理をしないように」言うのですが、聞く耳を持ず今日も脚立に登って剪定をしていました。
親父は最近便秘が酷く、一週間もお通じがない時があります。その都度下灘診療所へ電話をかけ、先生や看護師さんに往診をしてもらい、適切な診療をしてもらっています。年寄りゆえ病院へ連れて行くと、病院の待ち時間や長い診療時間で体調を崩してしまうので、往診は大助かりです。有難いことに親父は診察代もタダだし、年寄りを在宅介護する私たちにとって、診療所の先生や看護師さんはまるで神様のような存在なのです。
気がつけば親父の介護をする私も間もなく70歳、妻も69歳でまさに老々介護といったところです。子どものころから貧乏ゆえに苦労を重ねてきた親父なので、しっかりと介護をしてやりたいと、家族で話し合っていますが、歳を重ねる毎に幼児化して行く親父の介護は、徘徊するほどの元気がない分まだ助かります。いよいよ性根を据えて介護をしなければならないようです。
「相次いで 二人の葬儀 出す家の 心情察し 言葉も出ない」
「喪服来て 出て行く息子 どこへ行く 声かけられて ちょっとそこまで」
「少しだけ 体調良くなり ハサミ持ち 脚立に登る 選定するとは」
「九十五 介護の私 六十九 老々ですねと 声を掛けられ」