人間牧場

〇今日から出張です

 早いもので、明日になると今年も後一ヶ月の師走です。師走のその名を先取りするように、今日から12月1日まで家を留守にします。留守ったって家住民長いなくなる訳でもなく、私一人が旅に出るだけのことです。毎日ブログに近況を書いていると、世の中には結構暇な人や興味を持つ人がいて、私のブログの記事を読むのが日課なんて人も何人か入るのです。
 たまに少し長めの出張で家を空け、ブログをかかないと「どこか具合が悪いのでは?」何てまるで落語のネタになりそうな話になるので、最近は時候見舞のつもりで「しばらくの間留守にします」と書いて出かけるようにしています。そんなこと書いたら空き巣に入られるかもと心配する向きもありますが、わが家は人の大家族で家の中のそこら辺に人間様がゴロゴロしているので、どうぞご安心下さい。
 ということで、私だけ今晩から家を留守にします。ブログにてのお目見えは日曜日夕方になります。ご自愛下さい。

 

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人間牧場

〇曳き坂の草刈り

 私は教育長現職時代から今日まで、10年を越えて双海町子ども教室の実行委員長をしています。普通実行委員長という冠は飾りのようなもので、開催日にあいさつをする程度のものですが、こと私に限っては事務局である公民館主事さんも、何かにつけて企画や準備の相談をしてくれるので、その気になって一生懸命知恵を出し、その気になってお手伝いをしています。勿論他の実行委員会のメンバーもプログラム毎に担当を決めて、否応なしに関わらせるようにしているので、実行委員会がとても活発で出席率もいいようです。

曳き坂草刈り隊のメンバー
曳き坂草刈り隊のメンバー

 昨日は12月14日に迫った、曳き坂登りコースの草刈りをする旨の相談がまとまり、私と担当の西岡さん、宮栄館長さん、館長さんの友人の宮田さん、それに赤石主事さんの4人で朝9時に車で出かけました。私は前もってグラインダーで木切鎌をよく切れるように研ぎ澄まし、持って行きました。
 東峰の曳き坂終点まで行き、そこから道刈りを始める算段です。曳き坂は昔の往還道ですが、車の普及で使われなくなり、子どもの通学路でしたがそれも子どもの数の減少で使われなくなり、茨雑草に覆われて人間の進入を拒んでいるように見えました。

曳き坂の頂上付近
曳き坂の頂上付近

 「赤石さんが絡むと何でこうなるの?」と皆が大笑いするほど、赤石さんは雨男です。昨日は時ならぬ寒波に見舞われ、松山では初雪が降ったようですが、曳き坂で草刈り作業を始めようとすると、霰交じりの雪が降り始めました。西岡さんなどはそれを想定してか、合羽を着て早速宮栄さんと宮田さんも加わり、草刈機で下へ向かってどんどん刈り進みました。私と赤石さんは刈った草を、長柄鎌で道の両側へ片付ける役目ですが、百姓仕事で馴れた3人のスピードと仕事量は相当なもので、雪が降る寒い気温ながら、汗が出るほどでした。昔は晴れ着を着た人も行商をする人も、はたまた通学する子どもたちも、この道を行き来したのかと思うと感慨深く、道を踏みしめながら作業しました。

小鳥の巣の中ではネズミ赤ちゃんが6匹育っていました
小鳥の巣の中ではネズミ赤ちゃんが6匹育っていました

 作業は思ったより早く2時間弱で通れるような道を確保しました。これで12月14日の曳き坂登りはOKです。私はこの日人間牧場で餅つきと年輪塾の学習会があるので、参加することが叶わなず少し残念な気もしますが、仕方がないと諦め前もって了解を得ています。
 曳き坂という地名は平家の落人伝説に由来し、山吹御前を笹舟に乗せて引き上げ、中山町佐礼谷の山吹神社付近に葬ったというのです。今回の曳き坂登りの目的地はその山吹神社なのです。曳き坂は高速道路松山道の整備で途中を寸断されましたが、道路公団の手によって高速道路の上に東峰橋が架けられています。この日は距離実測のため赤石さんと二人で山吹神社を訪ねましたが、中々立派な神社で、特に本殿は長州大工の作と伝えられる見事さに度肝を抜かれました。

 

中山町佐礼谷の山吹神社
中山町佐礼谷の山吹神社

 山里に雪のちらつく冬がやって来ました。曳き坂から見える山々は紅葉の美しい時期を迎えていますが、その美しさを愛でる人も殆どなく、間もなく葉を落とし冬の眠りにつくことでしょう。時代の進展が進む中、山里の暮らしはむしろ人を遠ざけ、縮んで行くようにも見えます。長年人々が守り続けた曳き坂や曳き坂の伝説も、もう往時に戻ることはないものと思われますが、最後に近い瞬間に立ち会っただけでもかけがえのないいい体験の一日でした。

 

 

 

 

 

  「往還道 かつては人が 行き来した 足跡苔や 草に埋もれて」

  「成長が 進む一方 田舎では 縮んで行くよな 錯覚さえする」

  「もうこれが 最後の道刈り かも知れる 歴史の証人 なりえただけでも」

  「雪が降る 向うの山の 紅葉は 見る人もなく 冬の足音」

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