〇年輪塾公開セミナー(その2)小さな無人島サプライズ
普通どんな研修会を開いても、企画をしたり準備をしたり、はたまた運営に関わったりするのは極少数の人間です。今回の年輪塾恒例の2年に一度の公開セミナーの企画は清水塾頭と松本小番頭、それに筆頭塾生で今回中番頭に格上げした浜田さんと私の4人でした。何度も打ち合わせと称した呑み会を行い、一週間前にはわが家の煙会所で妻の作ってくれたおでんに舌鼓を打ちながら、最終打ち合わせをしました。
しかし助成金をいただく地域活性化センターとの打ち合わせや資料作り、当日の交流会の準備などは事務局をやっている松本小番頭が全てを差配してくれました。勿論2年間の学習に必要な資料配信や現地でのエクスカーションは、西土佐の和田さんと愛南の脇田さんが大いに活躍してくれましたが、セミナー当日の準備は会場がふたみシーサイド公園だったこともあって、準備から後片付けに至るまで松本小番頭におんぶに抱っこの手合いでした。
先日公開セミナーを前に自宅で夜寝ていて、変なことを思いつきました。会場が夕日のミュージアムの中なので、外には恋人岬と離岸堤があるのです。私が発想し県に造ってもらったは離岸堤のことを夢の島と名付けていますが、この島も考えてみれば小さ過ぎる無人島なのです。サプライズでこの島に渡ろうと思い始め、松本小番頭、浜田中番頭と密かに相談をして準備を始めたのです。
私は運悪く準備のための前日、長崎と尾道へ出張中だったのですが、シーサイドの砂浜からインディアンカヌーで試運転してみた浜田さんから新幹線で移動中電話が入り、「海はうねりもあって、櫂で漕ぐのは難しい」とのことでした。「私に秘策があるから」と告げました。実は松本さんとタフロープを両岸につないでたぐれば何とかなると相談していたのです。
川澄先生の講演が終わり、休憩時間になったところで全員で砂浜に出て、カヌーにタフロープを取り付け3~4人が島に渡りました。浜田さんと真鍋さんはカヌーを綺麗に拭き掃除してくれ、浜田さんはお神酒まで買って船玉様に供える念の入れようです。その後順番にタフロープで操り、4~5人ずつ渡って殆どの人が渡りました。恋人岬付近から松本さんが、望遠レンズで横断幕を張った私たち一行の記念写真を撮影してくれました。
私も思いのこもったこの島へ渡るのは2年ぶりです。毎年カヌーでこの島へたった一人で渡り、2時間ばかり地方(じかた)を見ながら、他愛のない夢について思いにふけるのです。この島を夢の島として井戸を作りたい、松の木植え緑化したい、この島の上でキャンプをしたい、この島を宝島にしたいなどと他愛のない夢を描いていますが、今回はジョン万次郎=無人島(鳥島)なので、ジョン万次郎の人生に思いを重ねました。島に渡った人たちも多少塩水で足元を濡らしましたが、いい経験だったと喜んでいました。
「シーサイド 公園沖に 浮かぶ島 小さいけれど 無人島です」
「鳥島に なぞらえカヌーで 島渡る 公開セミナー サプライズです」
「この島に 夢の幾つか 造りたい あれこれ思う 今はドリーム」
「万次郎 無人の島で アホウドリ 夜露しのいで 半年間も」